IT2016報告集_個人11

第4回海外学習助成事業の報告集 1年 OTM さん

参加者から提出された報告レポートです。個人名や写真の表現・配置等にオリジナルとは異なる点はご容赦ください。皆さんのレポートは下の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
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イタリア3都市(Milano, Firenze, Roma)を巡る6泊8日の旅

1日目

空港に到着し荷物を預けた後、財団の方や校長先生、旅行会社の方、家族と一緒に、結団式を行いました。財団の方がイタリアの街の雰囲気などを話してくださり、街への気持ちも高まりました。そして、家族や、財団の方などとお別れしてついに出国です。

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映画を見たりして飛行機の中を過ごし、ドイツの空港に着きました。ドイツの空港はとても広くて、中部国際空港とは異なり日本人が全くおらず、海外に来たという実感を強く感じました。荷物検査を済ませ、ミラノ行きの飛行機に乗り、一時間ものフライトを経てミラノに着きました。行く前には、さんざんスリに気を付けろと言われていたので、鞄のチャックを握りしめて注意しながら歩きましたが、18時ごろにもかかわらず、空港にいる人がすごく少なかったです。

荷物を貸し切りバスに預け夕食を食べる予定のレストランに向かいました。バスの中でまずはイタリア着いてから初のイタリア人運転手の方に「ボナセーラ!」と午後の挨拶をしました。夜で暗くミラノの郊外ということもあり、私がイメージしていた都会ミラノとは違うなと思いました。そしてミラノのレストランにつき夕食を食べました。コース料理を頼んでいたので前菜、主菜、デザートの順に出てきて、思ったよりも前菜のサラダが多くそれだけで満腹になってしまいました。主菜の魚のレモン煮はあっさりしていたため、するっと食べられました。デザートはイチゴとレモンのジェラートで、イタリアスイーツといえばジェラート!と思っていたのでとても気分が上がりました。

2日目

時差ぼけのせいか、夜中に起きてしまうことがありました。朝食のビュッフェの中にはオレンジが山積みにされてあり、自分で機械に入れるとオレンジジュースが出てくる手絞りオレンジジュースがありました。オレンジの色が全て同じではないので友達とは違う色のジュースになって面白かったです。食事を終え、ミラノ市内見学のため専用バスに乗りました。バスで街を走っていると、昨日は暗くてあまり見えなかった住宅などの建物が見え一瞬にして目が覚め、日本ではまず見ることのできない石でできた力強く感じる建物をまじまじと見ていました。

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最初の見学地はスフォルツェスコ城でした事前学習でスフォルツェスコ城のことは少しは知っていましたが、思ったよりも噴水がきれいだったり、ガイドさんの話を聞くと、見た目重視に見えるものが軍事的な目的のために作られていたり、隠し通路があったりと日本の城と近いものを感じました。
またバスに乗り次の場所に向かいます。次はスカラ座を通り、ヴォットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアという名のアーケードに行きました。このアーケードはアーチ型のガラス天井のアーケードで東京ディズニーランドの入り口にあるアーケードのモデルになったものです。なので、少し懐かしい気持ちになりました。天井付近に4つのフレスコ画があり床には牛の絵があり、踏んで回ると幸せになれるということで私も踏んで回りました。アーケードをぬけると、目の前にドゥオモが広がっていました。

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《ドゥオモ》
天気が良かったこともあり、ドゥオモを見たとき足を止めて、息をのんでしまうほど壮大できれいでした。中にはいるために違う方向から見ると金色の聖母マリアが見えました。ガイドさんの話では上から見ると十字架のマークになっているそうです。並んでいるときに周りを見ると銃を持った兵隊がおり、テロに対する警戒をしているのだなあと思い少し悲しく感じました。中に入ってみると宗教ならではの静かな空間が広がり横の壁にたくさんのステンドガラスがはられていました。全てのステンドガラスが物語になっていたのでキリスト教の話が分かり易かったです。昼食を終え、フィレンツェへ向かいます。

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フィレンツェ着

《ミケランジェロ広場》
広場の中央にダビデ像のレプリカがありました。高台から見る景色は日が沈んでくる時間でもあり、ミラノとは一味違う赤茶色の建物ととっても合っていてきれいでした。

《ウフィツィ美術館》
徒歩でウフィツィ美術館に向かいました。ウフィツィ美術館はもともとメディチ家の事務局で様々な絵画が展示されています。その中でもとくに有名だったり、印象に残ったものを紹介します。

左:「春(プリマヴェーラ)」 この絵と「ヴィーナスの誕生」を見たときにはじめて思ったのは大きいなということでした。間近で見ると女の人の肉感がよりよく伝わってきたり、500本あると言われている花も細かく見えました。

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右:「メドゥーサ」 メドゥーサの目が見開いているところが立体的に見えてゆっくりとは見ていられないほどの恐ろしさを感じました。

昼は自由昼食で自分たちだけで街の中を歩き、パニーニやジェラートを食べました。

フィレンツェのドゥオモへ行きました。そこは冷たく重々しい雰囲気がして今週がイースターなので天井画が一部分しか見えなかったです。

《ドゥオモ博物館》
中にはたくさんの作品や本物の「天国の門」がありました。他にもミケランジェロ作の「ピエタ」があり、他の人のピエタとは異なり、聖母マリアがキリストを支えている姿がとても印象的でした。

《アカデミア美術館》
館内にはたくさんの彫刻があり、特にミケランジェロのものが多くありました。彫刻を間近で見ると彫る方向によって彼が左利きだったとか作品の後ろに顔があるなど細かいことがよく分かりました。

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「ダビデ」
ミケランジェロ広場、シニョーリア広場と二回ともレプリカを見てきたものでしたが、本物はもっと圧力を感じられました。写真で見てきたよりもかなり大きく骨や筋肉の部分が細かく彫られていたのを自分の目でみることができました。ダビデの怖さを和らげるためには目がハートになっているそうですが、ダビデが大きかったので肉眼では見えませんでした。

《ドゥオモ(クーポラ)に登る》
全464段の階段を上って行き途中で天井画が全て見えるところを通りました。天井画は天国と地獄の違いがすごく分かり易くなっていて距離が近いことで一層地獄の恐ろしさが伝わってきました。クーポラまで登るとフィレンツェ市内でクーポラより大きいものがないので街全体を夕日をバックにしてみることができました。今まで見た景色で一番きれいかもしれません。でも、高いところだったので、風が強くて肌寒かったです。

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《自由夕食》
ピザ(マルゲリータ)ピザを食べる前にマーブル紙のお店に行きました。

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店の方が日本語で話しかけてきて、少しお話をすることができました。少し緊張しましたが、なんとか話せました。その後、イタリアに着いて初めてピザを食べました。三角形のかたちにカットしてもらい、とてももっちりして美味しかったです。

ホテル近くのスーパー
日本のスーパーとはぜんぜん異なり、カゴを引いて買い物するのが普通のスーパーでした。売っているものもチーズなら日本では売っていないようなサイズの大きさのものが売っていたり、ハム・パスタが途轍もない種類がありました。

4日目

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《サンマルコ美術館》
美術館というよりは修道院と言ったほうがピッタリの場所で音楽や鐘が聞こえてくるフィレンツェとは思えないほどの静けさがありました。窓の方から光が入ることを計算して影を書いている絵もあって部屋の全てが作品を作り上げていました。フラ・アンジェリコの「受胎告知」も天使の服などに淡い色を使っていたり、建物に遠近感があって神々しい雰囲気をはなっていました。

《ヴェッキオ橋》
ヴェッキオ橋の近くにはたくさんの宝石商があって、かなりの人でにぎわっていました。逆に人が多いので、スリや売り付けには十分気をつけた方がいいと思いました。

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《駅》
本来来るはずの電車が二時間も予定時刻を遅れてしまい、その時間の間「バー」で過ごすこととなりました。「バー」で飲んだピーチジュースは瓶に入れるものでやっぱりイタリアはオシャレだなと思いました。夕食は買って済ませることになったので、私はマックに行きました。英語と身振りでなんとか伝わるぐらいで注文した後はどっと疲れました。イタリアのマックはイメージカラーが緑で日本の赤のイメージと全然違っていて、面白かったです。
電車の中では話をしていたりしました。ハンバーガーの大きさが日本より大きく感じたので、一つ食べただけでおなか一杯でした。電車に乗っているときにちょうど日が沈んでいて夕日がとてもきれいでした。

ローマ着
すごく人が駅周辺にいたので、明日からのスリが心配でした。

5日目

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《コロッセオ》
私がイタリアに行くにあたって一番行きたかったところです。バスで移動中も所々に遺跡があってローマに来たんだなという実感がありました。コロッセオを見た時にまず思ったのは「白い」ということでした。これにもきちんとした理由があり、建てるときに使用した鉛が酸化したからだそうです。凱旋門の横を通ってコロッセオ入場の入り口に並びました。事前学習ではローマの遺跡について調べていたので私は思い入れが深く震えそうでした。入場して上からアリーナを見ました。自分の周囲にあるものが全て古代ローマの時代に作られたものだとはとうてい思えないほどの完成度があり、一目見た瞬間にすごいとつぶやいてしまうほどでした。コロッセオを出た後、再び凱旋門の方へ向かい今度は凱旋門に彫られている絵を見ました。そこには勝利の女神が敗者の脹脛を踏んでいるものでこんなに細かく作っていることに感動しました。

《サンタンジェロ城》
ローマの休日を前に見ていたので、よく名前を聞いているところでした。中に入ってはいませんが、ベルニーニが彫った天使の像は布の質感と肌が表現されていて技術の高さを感じました。

《バチカン市国入国》
イタリアとは別の国でしたが、隣の町に入るような雰囲気でした。

《バチカン美術館》
今までに行った美術館のようにとてつもない量の作品がありました。特に「ラオコーン」では蛇のうねうねした感じや噛まれている男の人の表情が細かく作られていて感動しました。全ての作品をじっくり見る時間はなかったのですが、トリックアートのようになっていたり、日本ではまず見られないものが沢山ありました。「アテネの学堂」は絵の上に女神がいたりと紙面では絶対に分からないことや、確定しているのはプラトンとアリストテレスしかいないなど予想外のことが分かりました。

《システィーナ礼拝堂》
最後の審判
最後の審判を見るところではとてつもない人数の人がいて静かにしないといけなくガイドも聞いてはいけないというとても厳しいなかで見なければいけませんでした。ある程度のところまで歩いて後ろを振り向くと、巨大な絵になっており、今まで見てきた画像のものとは比べ物にならない威圧感を感じました、これは一番本物を見てほしい作品です。双眼鏡で見ないと壁の上の方は見えにくいほど高いところまであり、これを描いたミケランジェロのすごさを痛感しました。

《サンピエトロ寺院》
ここもまた重々しい雰囲気を醸し出しており、人もぎゅうぎゅうでした。ここにはミケランジェロの「ピエタ」があり、ライトの色も影響してか、神々しいオーラがありました。入口付近から奥を見るとオレンジ色のステンドグラスが明るくひかっていて、オペラグラスで見ると、ハトのマークが見えてとてもきれいでした。

《サンピエトロ広場》
サンピエトロ広場では372本もの柱が、力強く建っていました。寺院の前で撮影しようとすると、ガイドさんが、フランスの先生に声をかけ、なんと写真を一緒に撮るという日本ではまずないことが起こりました。フランスの学生もノリノリで入ってきてくれて楽しく写真を撮りました。その後柱が一列見える「CENTRO DEL COLONATO」(円柱の中心)と書いてあるマークのところに行って立つと本当に柱が一直線になりました。これを考えて設計したベルニーニはほんとにすごいと改めて感じました。バチカン市国からの帰り道では虹が見えとてもおしゃれでした。

《オペラ》
ホテルからオペラ座の距離は近く、履きなれない靴でも歩いて行けるほどでした。周りにはお金持ちっぽくドレスやタキシードを着ている人たちがいてこの中に入るのか…と思いながらはいりました。会場はすごく豪華で自分が今まで入ったことのないような場所でした。オペラの内容は理解していたつもりでしたが英語訳を読んでギリギリ理解できるくらいで、ちょっとした笑いがあったところがわからなくてもったいない思いをしました。イタリア語を勉強してからもう一度観に行きたいです。途中で紙吹雪がふる演出にはとても驚かされました。

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6日目《フォロロマーノ》

6日目はすごくいい天気で陽がポカポカしていました。初めてイタリアの地下鉄を使ったときホームに降りたときの外国人の視線がものすごく怖かったです。5日目に見たコロッセオも曇っている時と、晴れている時では全く異なりました。フォロロマーノはとても広く遺跡がそこらじゅうに広がっていました。中には春を感じさせるように花が所々咲いていました。高台からのぞいた景色は青空のおかげもあって吸い込まれるように見ていました。その後は実際に下の遺跡を見ながら古代の人の建築方法や皇帝シーザーについての話を聞きました。

《真実の口》
フォロロマーノから真実の口に向かう途中では変わった水飲み場やバレンタイン起源などの話を聞いたりして歩きました。真実の口は長い時間ならぶと聞いていたので、ある程度覚悟をして行ったのですが思ったよりも空いていてスムーズに写真を撮ることができました。私は友達とローマの休日のシーンの再現をしながら写真を撮れたのでとても楽しい経験ができました。そのあと近くの店でお土産を少し買いバスに乗りました。ローマは「遺跡の残る街」なので地面が石畳でした。バスに乗ったらものすごく揺れて大変でした。

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《トレビの泉》
事前に自由散策の場所を決めるときに直ぐに名前が挙がった「トレビの泉」ここもすごい人込みと建物の白さでした。泉の水も水色できれいで白い石と見事に合っていました。折角来たのでコインを投げて幸せが来るように願いました。

《パンテオン》
これで最後なのかと思いつつ、見学地パンテオンに行きました。パンテオンは出入り自由だったので、沢山の人が入っていました。声が響かないように設計されていて100年代に再建されたほど古いものとは思わせないものでした。事前に調べたオクルスが長さは知っていても思ったよりかなり大きい穴でより神秘的な雰囲気を出していました。

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少し歩いて地下鉄に乗ってホテルに向かいました。その後は駅のスーパーやパスタ屋さんに買い物に行きました。私はずっと買いたかった車輪型のパスタを買えて嬉しかったです。その後、ホテル周辺のお店で自由行動でした。ヴェネツィアグラスのお店に入るととても面白い店員さんがいて楽しく買い物ができました。いろいろ買ったりしたら時間がぎりぎりになってしまったので、走ったらこけました。
ついに最後の夕食になってしまいましたが、お店で食べたカルボナーラはとっても濃くてすごく美味しかったです。そしてメインのステーキはすごくボリューミーでした。デサートのシャーベットも美味しくてイタリアから離れる寂しさと今までの充実感でいっぱいでした。

7~8日目

ついに帰国日。空港での自由時間はお土産を買ったりして過ごしました。

まとめ

今までにはない濃い1週間でした。イタリアを離陸するときは次来れるのはいつになるだろう・・と寂しい気持ちでした。はじめは不安だらけでしたが、1日1日増える毎に皆と仲良くなったら、自分の知らなかった方向からの考えが分かるようになり、視野が広がりました。
このような素晴らしい経験が出たのは日頃から私を支えている家族、今回一緒に行った仲間、梶野先生、牧瀬さん、瑞陵高校助成基金の支援をして下さった方、他にも書ききれませんが、このような方々のお蔭だったと思います。この経験を活かし、ローマなどで見かけた貧困で困っている人の力になれるような社会で活躍している人のひとりになりたいです。
ほんとうにありがとうございました。