IT2016報告集_個人5

第4回海外学習助成事業の報告集 2年 UKM さん

参加者から提出された報告レポートです。個人名や写真の表現・配置等にオリジナルとは異なる点はご容赦ください。皆さんのレポートは下の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
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イタリア3都市(Milano, Firenze, Roma)を巡る6泊8日の旅

参加を終えて

 <1日目> 
今回の事業に参加できると決まった日から、本当に自分が行けるのかと信じられない気持ちもありましたが、何が見られるのだろう、何が体験できるのだろうという楽しみな気持ちの方がはやっていました。

スフォルチェスコ城

出発の当日になっても、実感があまり湧いていませんでしたが、搭乗手続きを終えいよいよ飛行機に乗るだけになった時に、今までに感じたことのない緊張と不安に襲われました。しかし、瑞陵の生徒全員の代表なのだという責任を持って精一杯学び楽しんでこようという気持ちも生まれました。

 <2日目> 
~スフォルチェスコ城~
イタリアを訪れて最初に足を付けたミラノの街にあります。外周がとても大きく、当時の権力者の力の強さを感じさせられました。当時の当主の「馬に乗ったまま自分の部屋に行きたい」という現在なら無謀ともいえる要望に答えた住宅用の建物の入り口があり、あっけに取られるとともに、とても面白いと思いました。
以前から何をモチーフにしたのか気になっていたアルファロメオのロゴマークを見つけたときは驚きました。

~ドゥオモ~
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアをぬけるとミラノの街を代表する教会、ドゥオモが見えました。外壁に彫られた彫刻や尖塔に立つ彫像に圧倒されました。中に入ると、色鮮やかなステンドグラスに囲まれました。様々な色が太陽の光により四方から降り注いでいて、とても感動しました。大きな建物のなかに施された繊細さを感じられました。

 <3日目> 

ラ・プリマヴェーラ

~ウフィツィ美術館~
この美術館の中の作品のほとんどが当時力を持ったメディチ家の所有物でしたが、直系最後の女性が「フィレンツェから出さないことを条件として作品を一般公開する」という遺言を残したため、現在私達はここで数々の世界的に有名な作品を目にすることが出来ます。
特に私の心に印象に残ったのは、ボッティチェリの作品です。世界史や倫理の授業でルネサンス期を学んだときから、彼の柔らかい画風に興味を持っていましたが実際高校生のうちに実物を見ることができるとは思っていなかったので、目の前にした時にはとてもうれしかったです。ただ、美術館が工事中であったため、他の作品を含め、時系列順に見ることが出来なかったのが少し残念でした。

~アカデミア美術館~
ここでのメインはやはりダヴィデ像で楽しみにしていたのですが、実物の大きさには驚かされました。下から見ることに特化した構造なだけあってその迫力はすごいものでした。睨み付けるような目を表現するために眼球がハートの形になっていることに面白いと思うとともに、ミケランジェロの天才さを思い知らされました。

 <4日目> 

「受胎告知」

~サンマルコ美術館~
フラ・アンジェリコとその弟子の壁画や絵画がありましたが、派手さを抑えた落ち着いた空間の中に彼らの作品はとても映え、淡く大人しいなかに神秘性を感じられました。フラ・アンジェリコによる「受胎告知」にはアーチや回廊など当時のフィレンツェの流行が描かれていて美しかったです。

 <5日目> 
~コロッセオ~
紀元前29年に原形が作られ、80年に完成された円形闘技場です。実は細長い楕円形をしていて、いまなお傾いておらず紀元前にこんな建物ができていたなんて信じられず、何もかもが日本とは違うのだと実感しました。

~バチカン市国~
バチカン美術館にあるラファエロの間の「アテネの学堂」が、自分の中では一番の楽しみでした。授業や事前学習で学んだ人物がたくさん描かれていて、すみからすみまで目に焼き付けようと必死でした。何も知らずに見るよりも絶対良かったと思いました。
バチカン市国は国全体が教会のような感じで、日本にいては絶対に味わえない感覚でした。
システィーナ礼拝堂の「最後の審判」はこちらにまで力強さが伝わってきて、どれだけでもこの空間にいたいと思いました。

フォロ・ロマーノ

 <6日目> 
~フォロ・ロマーノ~
古代ローマ帝国が栄えた地で、皇帝たちが建てた建造物の跡が並んでいます。コロッセオ10個分の広さがあり、一日でまわりきるのはとても無理でした。古代の建物の上に中世の建物を建てた場所もあり、宮殿の柱が石材としてそのまま教会に使われていることもあることには驚きました。王が屋敷を建てていた丘に登るとローマの街が一望できて、まるでタイムスリップしたような感覚になりました。当時の支配者と同じ景色を見ることが出来ていると思うととても感動的でした。

最後に

今回の事業で自分が見てきたい、体験してきたいというもののなかに日本とイタリアの文化の違いがありましたが、到着したその日から身をもって体験することができました。また、『本物に触れる』という限られた機会でしか出来ない体験もすることができました。私達が見た作品の中には、完成していないものや当時のまま残っていないものもありましたが、製作者の気持ちや時代背景を勉強したこともあり、作品から本当に多くのことを感じ取ることができました。
観光以外の場面では、現地の人々の習慣の一部や人同士の関わり方など、日本とは違う景色を目の当たりにしました。これは、実際に自分で行ってみないと分からないとても貴重な体験だと思います。現地の方との会話は英語とイタリア語で、正直不安でしたが、私のつたない話し方でも意思疎通ができたので、純粋に嬉しかったです。
このような機会を与えてくださった全ての方々、先生方、ツアーリストの方々、そして家族の感謝を忘れず、今後の生活に今回の経験を活かしていこうと思います。