EU2014報告集6

 第2回海外学習の個人別レポート  1年 T.Y さん

参加者から提出された報告レポートです。個人名や写真の表現・配置等にオリジナルとは異なる点はご容赦ください。皆さんのレポートは下の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
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 「ルーヴル美術館・オルセー美術館&大英博物館見学の旅」

■ 旅行参加の目的

私は小さい頃から英語が好きで外国の文化に興味があり、将来も英語を生かせる仕事をしたいと思っていました。そこで、この海外学習に応募しました。今回の旅では世界的に有名なルーヴル美術館、オルセー美術館や大英博物館に行くので、写真でしか見たことのない物を自分の目で細かいところまで見て、絵や建物の雰囲気からも昔のヨーロッパのことなどを感じたいと思いました。また、ヨーロッパでの約1週間の生活から、日本と外国の文化の違いや、自分のコミュニケーション能力がどれほどあるかを身をもって体験したいと思っていました。

■ 見学と体験、学んだこと

■ <ルーヴル美術館・オルセー美術館>

ルーヴル美術館

前半のパリでは、ルーヴル・オルセー美術館に行きました。初めに行ったのはルーヴル美術館で、広いとは聞いていたけれど、実際に行ってみて本当に驚きました。広すぎてすべては見られないということがよく分かりました。中に入ってからは、「ミロのヴィーナス」、キリスト教に関する絵、「モナ・リザ」、「カナの婚礼」などなど、事前学習の発表や学校の資料集などでしか見たことのないものをいくつも目にしました。自分の目で本物を近くで見ることは初めてだったので、なかなか実感がもてませんでしたが、やはり近くで見ると細かい表情やその絵の状況なども伝わりました。

「ミロのヴィーナス」

例えば写真の「カナの婚礼」は、よく見ると水がワインに変わって注がれている場面なども見ることができました。そして、この絵の大きさにも驚きました。「モナ・リザ」は写真を撮るのが大変でしたが、世界で有名な作品の迫力を全身で感じてきました。

「カナの婚礼」

続いてオルセー美術館。ルーヴル美術館ほど大きくはありませんでしたが、ここも広く、貴重な作品がたくさんありました。残念ながらオルセー美術館は写真が撮れませんでした。もともとは駅だったこともあり中は駅の雰囲気が残っていました。ここではガイドさんの説明はなく、自分達で作品を探しながらまわったので、知っている作品を見つけた時は嬉しかったし、自分が見たいものをゆっくり鑑賞できました。この美術館にあるゴッホの作品などは見てみたいと思っていたので、間近で見て絵の質感なども感じられて、本当にいい経験ができました。

「オルセー美術館」

この2つの美術館に行って、実物を見ることの大切さが改めてよく分かりました。それぞれの絵によって、描いた人や時代、技法などが違うので、絵から感じられる雰囲気も1つ1つ違っていました。絵の大きさや迫力には、写真だけでは絶対に伝わらないものがありました。近くで見ると絵の塗り方などもそれぞれに特徴があり、想像以上に実物から感じられるものが多く、世界最大の美術館でこんなにいい経験ができて本当によかったです。

■ <大英博物館・ナショナルギャラリー>
「大英博物館」

後半のロンドンでは、大英博物館とナショナルギャラリーに行きました。私は事前学習で大英博物館の担当で、古代エジプトのミイラについて調べていたので、この博物館に来るのは楽しみでした。ここも広かったので、世界中にある古い貴重な展示物が数多くありましたが、すべては見きれませんでした。

「ロゼッタストーン」

パンフレットにDon`t miss と書いてあるところをまわるだけでも大変でした。ガイドさんの説明とともにいくつか見てまわり、後半は各自で好きなものを見たりしました。「ロゼッタストーン」や「パルテノン神殿彫刻」、「ミイラ」などの事前学習で学んだものは説明していただきました。 後半にまわったとき、展示されていなくて見られなかったものもありましたが、それでも多くの貴重なものを見ることができました。「ロゼッタストーン」はレプリカも貴重で、書かれている3種類の文字がどのように解読されたか、どう発見されたかなど、ガイドさんの説明も内容が深かったです。

「ナショナルギャラリー」

ナショナルギャラリーはオルセー美術館と同じく撮影はできませんでしたが、見ごたえのある絵がここにもたくさんありました。絵に込められた意味、色に使われた材料からわかることも、実際に見て感じることができました。また、7枚あるゴッホのひまわりの絵のうち2枚を見比べることができたり、滅多にできない体験でした。

この旅ではいくつもの絵を見てきましたが、どの絵にも違った思いや歴史がつまっていて、写真におさめられなかったものも、できるだけ目に焼き付けてきました。出発する前の事前学習でこれだけ感じることが多かったのだから、世界史を学んだりすれば、博物館などで見たことをもとにより深いところまで学ぶことができると思います。先生もとても興奮していたので、先生の授業を受けられたらなぁと思いました。また、大英博物館は泥棒博物館とも言われていると聞きましたが、1つの場所にこうして各国の遺物や書物などを集めることで、大英博物館に来るだけで数え切れないほどの展示物が見られるし、危険で行けないような国のものも見ることができるので、私はいいと思いました。
美術館も博物館も広すぎて、全て見られなかったのは残念でしたが、見たものだけはしっかりと記憶に刻んでおきたいです。

「ウェストミンスター寺院」
■ <ウェストミンスター寺院>

美術館と博物館以外で1番印象に残っているのがこのウェストミンスター寺院です。10世紀頃に建てられたと聞いたときは、こんな立派な建物がそんな昔に建てられたと聞いて、日本の建物と比べるとさらに驚きました。ウェストミンスター寺院の見学でも、昔の日本とヨーロッパの文化の違いを感じました。さらに、この寺院の床は、昔の王や科学者などが埋葬されていたりして、記念碑になっていたりもするので、踏んで歩いてもいいと言われてもためらいました。しかし、踏まなければ歩けないほどの数だったので、それだけの人が、私たちが生まれるより前に偉大なことを成し遂げていたのだと思いました。

■ <外国でのコミュニケーション・文化>

今回の旅の目的の1つである外国でのコミュニケーション。最初に英語で会話をしたのは飛行機内でした。機内食を配られるときの会話は簡単なものでしたが、生の英語に少し戸惑ってしまいました。しかし、私の後ろの席に座っていたフィンランド出身の男性と仲良くなり、色々と会話ができてとても楽しかったです。このときは、しっかり自分の英語が伝わっていると思い、自信が持てました。
ところが現地に着くと、お店などで言いたいことは言えても、相手の英語が分からなかったり、早口で聞き取れなかったり、自分で思っていた以上に会話ができませんでした。自分の英語力もまだまだだと実感し、授業やテストで英語ができるだけではだめだと改めて感じました。それでも、ルーヴル美術館で切手はどこで買えるか質問して、教えてもらったところまで無事にたどり着くことができたので、うまく会話ができた場面もありました。出国の前までは、スリに気をつけるようにと言われ続けていたので、正直最初は会話をするのが怖かったし、観光地にもジプシーがたくさんいて本当に怖かったです。しかし、悪い人ばかりじゃなく、むしろ親切で明るい人が多いということに気付きました。パリではスリがいるから気をつけて、と教えてくれた人もいました。お店で会話をした時も、日本人と比べて他人との間にあまり壁がない感じがして、外国の人のイメージががらりと変わりました。こうした経験からも、自分のイメージにとらわれず、実際に体験していくことが必要だと感じました。

「フィッシュ&チップス」

そして驚いたのはやはり文化の違いです。食文化に関しては、むこうの国は量が多かったり、イギリスの食事はあまり口に合わなかったりして国の違いを感じました。右の写真はロンドンで食べた「フィッシュ&チップス」というイギリスの伝統料理で、とても大きくて量が多かったです。フランスのエスカルゴは、イメージと全く違ってとてもおいしかったので、これも新たな発見です。さらに日本よりマナーがしっかりしていて、ナイフとフォークをそろえておくと、すぐにお店やホテルの人が片づけてくれるので、マナーも大切だと実感しました。

「エスカルゴ」

また、日本人の会釈などと違ってパリやロンドンの人は、「Sorry.」や「Thank you.」「Merci.」などの言葉をしっかりと伝えます。最初は慣れませんでしたが、すぐに慣れて、挨拶をするのが楽しかったです。日本に帰ってくると、他人とは挨拶をする人がほとんどいません。日本人もそういった挨拶ができると絶対気持ちがいいのに、と思うので、私自身も感謝の言葉を伝えたり、挨拶することを大切にしていきたいです。

■ まとめ

「旅の一コマ」

この海外学習は、熊澤さんをはじめとする一般財団法人の方々や、旅行会社の加藤さん、添乗員の有馬さんや学校の先生方、両親など、多くの方の支援があって成り立ったもので、特に財団の方々には感謝してもしきれません。今回参加できなかった人にも、この体験を是非してもらいたいです。高校生の私たちにこのような貴重な体験をさせていただいて、嬉しく思うと同時に、経験したことをしっかり伝えたいです。
今回の旅を終えて、本当に多くのことを体験し、学びました。美術館、博物館、外国の方との会話など、パリとロンドンでの1日1日が新鮮で、実体験は本当に大切だと改めて気付きました。これからは、聞いたことや先入観、イメージにとらわれず、積極的に体験して、自分で感じたことを大切にしたいです。また、最初は慣れなくて日本がいいと思っていましたが、どの国にも良さがあり、それをしっかり吸収していくことも大切だと思います。約1週間という短い間でしたが、今まで以上に様々な点で外国に興味が持てたし、文化の違いも全身で感じることができたので、とても充実していました。進路も、興味があった国際関係に進みたいと改めて思いました。そしてなにより、日本を出て初めて分かることがここには書ききれないほどあります。その経験は一生に一度の大切なものだと思うので、記憶に刻んで、将来も生かせるところでどんどん生かしていきたいです。

「ピカデリーサーカスのユニークな店員さんとの記念撮影」

私はもう次からの海外学習には参加できませんが、まだ行っていない人には是非参加してほしいです。もし少しでも興味があるのなら、この海外学習に応募してみてください。日本にいては分からないことがたくさんあるので、現地でしかできない新しい発見ができると思います。
最後にもう一度、この海外学習に参加できて、本当に本当によかったです。支えて下さった大勢の方々、ありがとうございました!