EU2014報告集7

 第2回海外学習の個人別レポート  2年 I.Y さん

参加者から提出された報告レポートです。個人名や写真の表現・配置等にオリジナルとは異なる点はご容赦ください。皆さんのレポートは下の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
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2年 I.Yさん  N.Mさん  I.Kさん  Y.Tさん  S.Kさん  K.Sさん

「海外学習を終えて」

私が今回の海外学習に参加する上で学びたいと思っていたことの1つめは現地にある本物の美術品、絵画、建物を見てきたいということです。2年生で世界史を学んだとき歴史が創られていくうえでたくさんの建造物、絵画、美術品が残されていくということを知りました。しかし、資料集に載っている写真はだいたいどれも同じ大きさで細かいところまで詳しく見ることができません。そんなときに今回の事業があることを知りました。世界最大級と言われているルーブル美術館や大英博物館にいけることができれば自分の見たいと思っていたものを生で見ることができると思い、すぐに応募しました。

ルーブル美術館の天井

フ ランスに着いて初めての美術館訪問で行ったルーブル美術館は元々王宮だった場所を美術館にしたので展示されている作品だけでなく、美術館の外観、室内の天井や階段のつくりまですべてが美しかったです。現地ガイドの方に案内してもらい様々なものを見ました。

背面からのミロのヴィーナス

ルーブル美術館で私が1番見たかったものはミロのヴィーナスです。ミロのヴィーナスは現代国語で「両腕が欠けてしまったからこそどんな時代も超えてくることができた」という考えを学び、とても興味がわいていました。実際みてみると思ったより大きかったです。正面からみると腰に巻いている布や肌の質感がなめらかで石でできているようには見えませんでした。展示方法は像の周りを一周できるようになっていましたが、裏側に回ってみてびっくりしました。正面側のなめらかさとは違い背中側は荒いままになっていました。これは、本来は神殿の壁際に置くように作られていたため正面だけきれいに作られていればよかったからだそうです。教科書でみてきた写真は正面のものしかなかったのでこのことはとても驚きでした。

ルーブル美術館のケールは桁違い

実際に現地の美術館に行ってみて驚いたことは、名作の量の多さと展示されている場所の広さです。また大英博物館などは入館無料、そして自由に写真を撮ることができるということです。事前調べなどでその広さはわかっていたつもりでしたが現地でみたスケールは桁違いでした。館内地図をみても全然わからず、ガイドの方がいなければ本当に大変だったと思います。実際、オルセー美術館はガイドなしで見学したのですが結局、道に迷っている時間のほうが長くなってしまい見たいと思っていたものが見られず終わってしまいました。

美しい美術館の外観

また、ガイドの方がルーブル美術館の案内の最後のほうに長い階段を登ってある展示室に連れて行ってくださいましたが、そこにはだれにも気づかれないのではと思うほど普通にモネの絵が飾られていました。この美術館がいかにたくさんの有名な絵画を所蔵しているかを実感しました。
また、ルーブル美術館に限らず、どの美術館にも世界中からきた旅行客の他に現地の小学校や中学校から校外学習でやってきた子供たちなど地元の人もたくさんいました。こんな風に世界最大級の美術館が身近にあり、いつでも好きなだけ見たいものを見ることができる環境は本当に素晴らしいものだと思いました。

オランジュリー美術館

パリではこの2つの美術館のほかにもうひとつオランジュリー美術館にも行きました。モネの連作「睡蓮」をメインに印象派の絵画を展示している小さな美術館です。「睡蓮」を飾ってあるスペースに行くと、絵に近寄ってじっくり観察するというよりみんな部屋の中央にある椅子に座ってみていました。モネの絵は近づきすぎると何の絵なのかよくわかりませんが少し離れてみるとたしかに1つの絵になっているのです。私も椅子に座ってぼーっと眺めているとまるで彼の描いた睡蓮の庭の中に入り込んだような気分になりました。淡い紫や青の色使いをみていると心がとても落ち着いてすごく居心地のいい場所でした。美術館というと作品を細部まで観察するというイメージが強かったのですがここはそのようなものとは全くちがいました。こんな美術の楽しみ方もあるのだな、ととても印象に残っています。また、この美術館でもらったパンフレットの「睡蓮」の写真を実物と見比べると色が全く違いました。実物のほうが淡い色使いで透き通っていて美しかったです。改めて、写真で満足することなく実物を見に行く大切さを実感しました。

大英博物館
ロゼッタ・ストーン

ロンドンの大英博物館では今回の旅で1番見たかったロゼッタ・ストーンを見ることができました。博物館ではまず実物の前に触ることのできるレプリカを見ました。レプリカ自体も200年ほど前に作られた歴史のあるものでした。私はとても巨大な石だと思っていたので意外にも小さくて少し残念でした。本物はガラスケースの中にありましたがこんな石1つで歴史の謎が解明されたのだと思うととても不思議でした。もっと神々しいものを想像していたのでなんだか拍子抜けしてしまいました。
大英博物館には絵画は1点もなく、古代ローマやエジプト、アッシリアの時代の遺跡や像がたくさん展示されていました。
ガイドの方の説明で大英博物館は世界中から盗んできたものを集めてできた、というはなしを聞きました。実際に現地の遺跡に行っても出土したものは大英博物館にある場合が多い、ということです。今でも海外の政府の中には返還要求を出している国もあるそうです。最初はどうして返還しないのかということだけを疑問に思っていましたが、それらが出土した遺跡は戦争ですでに破壊されているものもあり、そのような場所に返還するよりはこの大英博物館に保管しておいたほうが安全なのかもしれません。
このことは、とても難しい問題だと思いました。

パリの街並み  放射状に伸びるパリ市街

次に見たかったものは現地の町並みです。
わたしは小さな頃からヨーロッパの風景にとても興味があり1度でいいからこの目で見てみたいと思っていました。
パリ市内は凱旋門を中心にして放射状に通りがのびています。その通りは緩やかな坂になっているのでどこからでも凱旋門をみることができました。

街中の小公園

パリの最終日にのぼったときに市内を一望することができました。門の屋上から通りを見下ろすとたしかに放射状に伸びていました。通りと通りの幅はどこも同じで間に立つ建物も坂を下るほど幅を増していっているのがよくわかりました。建物はクリーム色で統一されていて、高さもほぼ同じでした。

エッフェル塔の夜景

夕日に照らされたパリの街は本当にきれいでした。パリの高層ビルは反対側の区に集まっていてシャンゼリゼ大通り側は高い建物は全く見当たりません。そのぶん、教会や寺院を簡単に見つけることができました。小さな公園や緑が広がっている場所もたくさんあり、フランス最大の都市ながらも自然にあふれた町並みでした。セーヌ川沿いにも美術館やエッフェル塔などの多くの建物があって川とともに生活しているのだと思いました。

ロンドンの風景

それに対してロンドンは茶色のレンガ造りの重厚感のある建物がおおく建設されていました。パリでは石畳の道も多く見られたのですが、ロンドンは全てアスファルトでつくりが新しくみえました。

町のいたるところにある銅像

ロンドンはパリに比べて道が狭く交通量も多かったです。建物の高さもばらばらなので空が狭く感じました。パリほど細かく区画整理はされていませんでしたが、シティという地区がオフィス街になって いて高層ビルが立ち並んでいました。
そして印象に残っているのは銅像の数の多さです。町のいたるところに銅像が建てられていました。馬に乗ったものや、立っているものなど種類は様々でした。その中には、かつてのイギリス首相、チャーチルなど知っている人物も いれば、そうでないものもたくさんありました。

現代的な要素が融合したロンドン

パリは中世の町並みをそのまま受け継いでいましたが、ロンドンは古いながらもネオンの光や大きな看板があり、ところどころ現代的な要素が街の中に融合していました。

次に、現地でのコミュニケーションと会話についてです。
現地での会話といえば買い物をしたときくらいでしたが最初は本当に不安でした。私は英語が得意でないし今回はフランス語も必要だったので相手の言っていることがわからなかったらどうしようという気持ちでいっぱいでした。
驚いたことはお店に入ったとき、レジで会計するとき、まず自分の番がきたら「ボンジュール」、そして会計が終わり商品を受け取るときには「メルシー」とお互い挨拶することです。私は日本でどこかのお店に入って挨拶したことなんて今までなかったし、レジの人の「ありがとうございました」という言葉に反応するという考えは、まずありませんでした。最初は反応に困ってあいさつをしそびれることもありましたが慣れてくると笑顔で言えることができるようになりました。またフランスでもイギリスでも仕事をゆっくりすすめていました。スーパーではレジに人がどんなに並んでいても会話をしながら会計をしていました。

カフェにて

そのほかにも、フランスでカフェに入ったとき席についてからメニューを持ってきてくれるまで5分くらい時間がかかったりしたときは、私たちのことは忘れられているのではないかと心配してしまったほどでした。ウェイトレスの人の動きを観察してみると、1つのテーブルにメニューを渡しオーダーを終えてから次のテーブルのオーダーにうつっていました。また会計の伝票もウェイトレスの人が持ってきてくれてから会計をしましたが、店内のお客さんはオーダーが遅いといって怒る人は誰もいませんでした。食事をするペースもみんなで話をしながらゆっくり食べているのがふつうでした。日本では考えられないくらい店員と客が対等な立場にあると感じました。
1番不安だったフランス語は、現地の人は英語で話してくれるときも多く少し安心しましたが、簡単な挨拶は自分からフランス語を使うように心がけました。自分が話せる言葉はほんとうに少なかったですが、それでも相手が理解してくれたときは通じたという喜びでほんとうにうれしかったです。ネイティブの人と話す機会は今までまったく無かったのでとてもいい経験になったし、今後の自信にもつながりました。それと同時に自分自身の英語力の低さを思い知らされました。これからは学校で学ぶ英語はもちろんのこと、世界で通用する英語も学んでいかなければならないと思いました。

旅行の最後、日本に帰ってきて、中部国際空港で最後の挨拶のときに有馬さんがおっしゃった、「世界は意外と近かったでしょう?」という言葉がとても心に残っています。本当にそうだと思いました。行く前まで、私にとってヨーロッパという存在は写真やテレビしか見たことがなく、なんとなく別世界のように感じている部分がありました。実際に行ってみてテレビでみた建物や絵画が本当にそこにあって、すごく現実味のあるものになりました。現地で生活している人を見て、言語や見た目は違えど、自分たちと変わらない暮らしがそこにあるのだとわかると今までとてつもなく遠かった海外という存在が少しだけ近くなったように感じることができました。
今回この事業に参加して1番必要だと思ったことは語学力です。私は学校の授業でも英語が嫌いでいつも勉強することを避けていましたが、現地で言いたいことが伝えられずもどかしい思いをたくさんしました。また、パリでも英語はだいたい通じましたがやはりその土地の言語できちんと話せることの大切さも知りました。まずは英語をきちんと話せるようになることが絶対的に必要だと痛感しました。
この経験から、これからの英語の勉強をがんばろうと思えるようになりました。
そしてまたいつか必ず、海外に行ったときに生かせたらいいなと思います。

私はこの事業に応募する際に来年受験生になるということもあり悩んだ時期もありましたが、今は参加してよかったと心から思います。
1週間海外に行って、楽しかったこと、意外だったこと、大変だったこと、たくさんありましたが本当に全部いい刺激になりました。今回の海外学習で撮った写真は全部で1300枚にもなりました。全て私の生涯の思い出です。実際に現地に訪れ、撮ってきたたくさんの記録を今度は私がたくさんの人に伝えていく番です。今回の経験を絶対に無駄にしないようしたいです。このような素晴らしい事業を今後もより多くの人に経験してほしいです。
たくさんの方々の助けと協力が無ければこの事業は成功しなかったと思うし、また私は、たくさんの支えがあって今ここにいられるのだということを再認識することができました。
今回、瑞陵の代表として参加できたことを本当に誇りに思います。

最後に、このような素晴らしい機会を作ってくださった出資者の熊澤さん、財団の関係者の方々、出発まで準備に関わってくださった旅行会社の方々、事前学習にご協力してくださった先生方、当日笑顔で送りだしてくれた両親、また海外学習初日から日本に帰国するまで添乗してくださった有馬さん、引率してくださった三輪先生、本当にお世話になりました。そして、ほんとうにありがとうございました。