EU2014報告集10

 第2回海外学習の個人別レポート  2年 Y.T さん

参加者から提出された報告レポートです。個人名や写真の表現・配置等にオリジナルとは異なる点はご容赦ください。皆さんのレポートは下の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
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今回の旅を通して

エッフェル塔

今回僕がこの見学の旅に申し込んだ理由は、本物をみたり・感じたりすることがしたかったからです。フランス・イギリスには世界的に有名な美術館がたくさんあります。そのなかでも、ルーブル・オルセー美術館、大英博物館といった所に行くことができる機会というのはめったにないため申し込みました。また、資料集や写真でしか見たことがなかったものを生で見たいと強く思ったからです。それに、日本とは違う文化を経験することで日本のいいところ、見習わないといけないところを見つけ、いい刺激を受けてこれからの自分の人生を豊かにしたいと思ったからです。

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実際に行ってみてあふれるぐらいにたくさんのことを吸収できたと思います。向こうでの毎日は新しいことの発見や体験で充実していました。まず、最初にバスから街をみていてとても楽しい気持ちになりました。わくわくする気持ちとは他に、日本とは違い建物が石で造られていたり、建物や木も高さが統一されていたからです。どれも歴史の重みを感じさせてくれるものでした。次の日から本格的に旅が始まりフランスの観光名所などを巡りました。最初に行ったエッフェル塔は街にとけ込んでいる印象を受け、東京スカイツリーや名古屋のテレビ塔とは全然違いました。エッフェル塔は街のシンボルとして街と調和していました。
その次に行ったノートルダム大聖堂とサクレクール寺院は日頃の暮らしと宗教が密接に関係していることを肌で体験することができました。中ではミサが行われていて現地の人々の他に観光客も参加していたりと、日本では目にすることがあまりないことでした。その後は僕が一番楽しみにしている美術館に行きました。昨年、東京でルーブル展が開かれていたので見に行ったのですが、いろいろな時代の文化作品があって本館はどんなのかなと想像していました。中に入って最初に見た作品が「ミロのヴィーナス」でした。これがルーブルのすごさかと感じさせてくれる作品ばかりで、資料集や至る所でみたことのあるものでした。一枚一枚の絵から発せられるオーラがすさまじいもので、僕は釘付けになりました。自分が好きな作品と一緒に写真が撮ることができたりと、とても貴重な体験ができました。本物を生でみないとわからない感覚を受けることができてやはり、生でみることの大切さを改めて実感しました。

オルセー美術館

ヴェルサイユ宮殿では絶対王政のすごさを体験することができました。どこまで続くのかわからない庭と豪華な宮殿。日本でいう皇居みたいなものだと思っていたらスケールから違っていました。ヨーロッパの大部分を征服したルイ14世の偉大さに驚嘆しました。日本人の感覚にはあわず派手なところも外国の文化なのだなと感じることができました。

オルセー美術館では印象派の絵を数多くみることができました。僕の好きなモネ、ルノワール、カイユボットといった画家の代表作をはじめ有名な作品を見ることができて、涙がでそうになるぐらいうれしかったです。一日中ここに居たいなと本当に思わせてくれるようなすばらしいものが本当にたくさんありました。言葉ではなかなか表すことができない感動を味わうことができました。

オペラ座

オペラ座ではフランスの社交会場という意味合いがあり驚きましたが、とても文化的なことだと思いました。内装は非常に豪華であると同時に歴史の長さの威厳みたいなものを発していました。
フランスを回ってみて日本の良さと悪さを体験できました。まず日本のいいところは、街が綺麗なところとサービス・交通マナー・治安がいいところです。フランスは街の至る所にゴミが落ちています。ガイドさんに聞くと、フランス人は自分の家の中は綺麗なのだそうですがそれ以外の所は汚くてもあまり気にしない人が多いそうです。サービスは店員が退屈そうに仕事をしたり、レジが混んでいるのにレジを閉めたり、ゆっくりやったり、食事をしたりと日本のサービスの良さを改めて感じました。さらにフランスにはたくさんの移民がやってきていて、ジプシーと呼ばれる人々がいろいろな犯罪をしています。特にスリにかなり注意しないといけないところが大変でした。この点では日本の方がいいなと思うようなところでした。

縦列駐車

一方、交通マナーは驚きの連続でした。地下鉄は降りる時に自分で扉を開けないといけないことやあまり信号を気にしないこと、車線がひかれていないこと、縦列駐車がとても上手だというところです。逆に日本の方が見習った方がいいなと思ったのは、観光と文化の点です。今回フランスで行ったところには最低でも4カ国語、多いところだと9カ国語で案内している所もありました。日本も海外から観光客を呼んでも、それを紹介する体制が整っていないことを痛感しました。日本もある言語に偏って案内をするのではなくて、幅広く対応することが求められているような気がしました。

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もう一つは文化と文化教育についてです。フランスは古い文化と新しい文化がうまく調和しています。また、フランスの美術館をみていると観光客の中にまじって、たくさんの子供たちがいました。小さい頃からこのような立派な絵を見ることができるなんて恵まれていると思います。それも、先生や学芸員の方から説明を受けてそれをしっかりと聞いていることが素晴らしいと思いました。日本では学校からみんなで美術館や博物館に行って学習する機会がめったにありません。それでは、文化への関心が薄れていくのも当然なことだと思いますし、海外の人と交流する時に自分の国の文化の話をすることができず、外国の文化の話にもついていけなくなります。なので、日本も小さい頃からこのような教育を取り入れるべきだと思いました。

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イギリスはフランスと違い日本と似ているところもかなりありとても親しみを持つことができました。イギリスも宗教が日々の生活に密接に関係していると思いました。イギリスはフランスと宗教が少し違っているのですが、あまりそういうことによっての違いを感じることはありませんでした。それよりも強く感じたことはイギリス人が自分の国に誇りを持っていることです。教会に行った時にイギリスが世界に誇る有名人の墓や記念碑が堂々とおいてありました。ニュートンやダーウィン、シェークスピアは彫刻にされていたりしていました。さらに、その前の広場にはイギリスの有名な首相の銅像がいくつかありました。チャーチル首相しかわかりませんでしたが、そういうところに自国への誇りを感じました。

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また、王族の人気の高さはすごいものでした。ヴァッキンガム宮殿にはたくさんの人がいたり、街のいたるところでロイヤルファミリーの写真を見たり、お土産のラベルになっていたりしていました。また、ロンドンもフランス同様に古い文化と新しい文化との調和がとれていました。

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ロンドンでは大英博物館、ナショナルギャラリー、自然史博物館に行ってきました。とにかくすごかったです。大英博物館には古代のギリシャ、アッシリア、エジプトなどの貴重なものから、日本や中国といったアジアの文化、アフリカの文化といった世界中の文化のものが集まっていました。一つの博物館で世界中のものをみることができるなんて日本では考えられません。特に歴史的に価値のある重要な所蔵品がたくさんあることは非常にうらやましいことでした。たくさんのものがあるため、とても大きくて迷子になりそうになりました。また、歴史的に重要なものの他に時計やお金といったものの移り変わる様子がわかるようなブースがあって楽しむこともできました。
ナショナルギャラリーは作品の飾り方が時代ごとになっていたためとてもわかりやすかったです。ここにも素晴らしい絵がたくさんありました。ここでは日本では絶対に経験することができないことをすることができました。ゴッホの「ひまわり」が2枚あって見比べることができたことです。ナショナルギャラリーが1つ所蔵していて、今回はオランダの美術館が所蔵している「ひまわり」がきていて並べて飾ってありました。日本だったら1枚みるのに何時間も待たないといけないところをたった15分ぐらいでみることができ、それもゆっくり鑑賞することができました。「ひまわり」は何枚もあり少しずつ違うことは知っていたのですが、どこが違うのかとかは全然知らなかったのでとても貴重な経験ができました。
自然史博物館は恐竜の骨をはじめほ乳類、魚類、鳥類、昆虫類、は虫類といった世界中の生き物の標本がおいてありました。また、ダーウィンの進化論の根拠となっている始祖鳥の化石や猿人の化石などがおいてありました。 自然史博物館は世界でも珍しい物がたくさん飾ってあり、それも小さい子でも興味を持ち理解することができるような展示方法をしてありたくさんの子供たちが来ていました。

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この3つの美術館に共通していることはたくさんの重要なものがあるのはもちろんそれ以外にも大きな特徴があります。それは入場料がいらないことです。どれも全部ただでみることができ全部寄付で運営されていることです。日本では中学生までが無料のところは多いですが、大人まで無料という所は聞いたことがありません。こういう姿勢が美術館博物館を身近なものにしているものだと思いました。どこもフランスの美術館に比べて10倍ぐらいの子供たちがいました。それなのに運営できるのかなと思って寄付する箱をみてみたらたくさんのお金が入っていました。20ポンド札(日本円にして3800円ぐらい)がふつうに入っていて、そのほかにもいろいろな額の紙幣やコインがありました。こういう姿勢をもっと日本も見習わないと思い、「イギリスと日本では500年も違う」と言っていた祖父の言葉の意味がわかりました。これ以外にもとても貴重な体験をすることができました。

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ロンドン2日目の夜にミュージカルを見に行きました。ロンドンには街中にたくさんのミュージカルの会場があり生活の一部となっているような気がしました。ミュージカルは日本で事前に学習していたので楽しむことができました。それよりも終わって外に出た時の人の多さに驚きました。平日にもかかわらずたくさんのひとが見に来ていてこういう習慣があるのもいいなと思いました。
今回の僕の目的である本物をみたり・感じたりするということは達成できたと思います。そして、本物を生で見ることの大切さも改めて感じました。写真や映像で見るのとは全然違う雰囲気で、本物が発するものを直接受け取る重要さを理解することができました。これは、どの作品にも共通することなのでいろいろな作品をもっと生で見てみたいとおもいました。
また、一週間海外に行って自分はものすごく影響を受けました。特に2つのことを感じました。
一つめは語学力です。一応約5年間英語を勉強しているので紙や新聞に書いてあることは少しわかりましたが、それでも単語の意味が理解できないことが多くて自分のボキャブラリーの少なさを改めて痛感しました。それ以上に話すこと・聞くことの力が全然足りないことにショックを受けました。相手が何を言っているのかがわからなかったり、言おうとしていることが全然口から出てこなかったりと苦い経験をいくつもしました。身振りとか相手のジェスチャーとかでなんとか乗り切ることはできましたが、自分の語学力が全然ついていないことに真剣に向き合う必要があることがわかりました。
もう一つは世界の広さです。今回の旅で世界がものすごく広いことがわかりました。名古屋以外に住んだことがない僕はいままで世界の広さに気づいていなかったんだなと思いました。日本にいるとニュースで世界のことをやるのにイギリスでニュースを見ていても日本のことは一回もやりませんでした。世界からみたら日本なんて小さな国の一つでしかないんだなと感じました。この歳でこのようなことに気づくことができて本当によかったです。
僕は大学生の時に留学したいと考えているので、今回のことを生かしてさらに自分が進化できるようにしていきたいです。
そして今回経験したことを少しでもみなさんに伝えて、是非外国に出てみて世界を感じてみて、そこから日本を見てほしいと強く思います。きっと今までとはあらゆるものが違う視点で見ることができると思います。その中で日本の良さにも気づいてほしいです。
今回このような機会を与えてくださった財団の方にはとても感謝しています。また、この旅を支えてくださった先生方、旅行会社の方々、家族にもとても感謝しています。ありがとうございました。