第3回海外学習のレポート 2年 Y.A さんのレポート
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私はずっと海外に憧れを抱いていて、いつか海外に住んで働きたい、英語に実際に触れて自分の能力を試したいと強く願っていました。この企画に参加したくて入学したといっても過言ではなかったので、当選したときは本当に嬉しくて、喜びで胸が高鳴りました。
初めてのパスポート取得から勉強になりました。そして人生初の飛行機はまるでジェットコースターに乗っているような感覚でとても楽しかったです。一度飛行機に乗ってみたかったので良い経験になりました。英語での簡単な注文ができただけで「通じた…!」という小さな感動を味わいました。心配だった時差ボケも全くなく、到着後の航空宇宙博物館別館では本物のエノラゲイや零戦を間近で見ることができ、その迫力に圧倒されると同時に、同じ場所に展示されていることによって戦争について深く考えさせられ、歴史の重みを感じました。
…そのあたりまで旅は順調でした。
2日目の朝。ワシントンの朝食のバイキングがすごく美味しくて、同じ席だった男子から驚かれるような量の朝ごはんをお腹一杯食べました。気分はまるでアメリカ人でした。
アーリントン墓地の観光から様子がおかしくなりました。気持ちが悪い。そして1日中、嘔吐を繰り返してしまいました。アメリカの水は美味しくなく、日本から持ってきた水がきれてしまったので、ひたすらオレンジジュースを飲んでいました。アメリカのオレンジジュースは品種改良がしてあるのか、甘くておいしいのでお気に入りでした。結局また吐いてしまいますが。それでも、訪れたそれぞれの場所はどこも魅力的で楽しくて新鮮で、街並みもテーマパークの世界そのままで驚きました。体調が良ければもっと満喫できたのに、と今になっても後悔しています。道で肉を焼いて売っているので、歩くだけでももうダメだったのに、煙たい独特のにおいも加わったので一番この日が大変でした。
3日目にようやく胃が食べ物を受け付けました。ゴディバの試食とハーゲンダッツのフローズンヨーグルトです。久しぶりに食べ物を食べたので美味しかったです。(食欲もなく何食べても戻してしまったので飲食は控えていました)少し体調も良くなったので、今までの分を明日からのニューヨークで取り返そうと気を取り直しました。みんなにも「大丈夫?」と心配をかけてしまっていたので、申し訳なかったです。優しい気遣いにかなり助けられました。
それから4、5日目は体調も良くなり食べ物も食べられるようになりました。ようやく旅行が楽しくなり、一日一日が充実していました。健康のありがたみが身に染みました。
4日目の夕食の和食、というかWASHOKUは様々な新しい発見がありました。何よりも一番衝撃的だったのが野菜炒めです。キュウリに塩、胡椒、醤油をかけて炒めるのです。さすがアメリカ人、斬新です。そして包丁を左脇からさっと取り出す様子はまさにサムライ。食前に出たスープは和風オニオンスープで、しいたけが浮いていました。一口飲むと、驚きのぬるさ。みんなが不思議そうにしていると有馬さんから、アメリカ人は猫舌で熱いものが苦手だから飲み物はぬるいんだよ、という説明を受けました。いつか熱々の味噌汁の美味しさをアメリカ人に語りたいと思いました。メインのニューヨークステーキは赤身なのにジューシーでやわらかく、しつこくないのでいくらでも食べられる味でした。食後のデザートはオレンジ色とピンク色の混ざったアイスで、誰一人としてそれが何味なのかわかる人はいませんでした。私は結構好きな味でしたが殆どの人が「小さい頃飲んだ甘い薬の味がする…」と言って残していたので、もらいました。突っ込みどころ満載でしたが、アメリカ人からみた日本人を知ることができ、面白い体験ができました。
5日目の国連ガイドツアーは誰よりも特別な思いで臨みました。私は中学の頃から国際公務員の仕事に興味があり、国連にずっと憧れていました。写真でしか見たことのないビルをこの目で実際に見ると、興奮と感動が止まりませんでした。ツアーでの英語は3割くらいしか理解できませんでしたが、知識で何とか補えました。国境の垣根をこえて、異なる国の人たちと共に働いているのを見ると、やはり羨ましく魅力的でした。国連はアメリカから独立しているので、パスポートにスタンプを押してもらいました。そして、家族に葉書を送りました。
夜のブロードウェイは煌びやかで賑やかで、栄や名駅とは比になりませんでした。ミュージカルを見る前に、夕食とショッピングを楽しみました。レジではコインの種類が多すぎて使いこなせてなかったので、英語でどれを使ったらいいかを毎回聞いていました。私は飛行機の隣が外国人で話しかけられたなんてチャンスはなかったものですから、なるべくコミュニケーションを現地でとろうと努めていました。でも、アメリカでの会話はほぼ単語でなんとかなるので英語らしい英語は使いませんでした。
そして待ちに待ったライオンキング。観客の“ノリ”が日本とは全く違っていました。最初の始まりの歌を歌い終わると同時に割れんばかりの拍手が劇場内に響きわたりました。ミュージカルの迫力に負けない、パワフルな観客の熱気がそこにはありました。笑う時はどっと笑い、終わる時はスタンディングオベーションです。本場はこんなにも凄いのかと圧倒されました。ライオンキングは予めディズニーの日本語のDVDを見れば内容は完全に理解できるので、かなりおすすめです。
6日目。また私は後悔することになりました。チェルシーマーケットのチョコレートブラウニーの試食に手を出したのが間違いでした。その日は今までの疲れも押し寄せてきて限界を感じ、夜景を見たらもうタイムズスクエアは見学せず、ホテルに行きました。その日は早く寝たので、帰国するときには治せました。
私はこの8日間を通して多くのことを学べました。まず、憧れだけではいけないということです。海外に行きたい暮らしたい働きたいと夢見ていましたが、食べ物の壁にぶつかってしまいました。現実は甘くないと思い知らされました。それと言語の壁です。早口で言っていることがよく分かりませんでした。自分が言いたいことは頭の中で英語にできるのですが、相手の言っていることが分からないので結局一方通行なのです。もっと相手の話していることを理解し、濃い会話をしたかったです。しかし、良いことも学べました。それは日本の素晴らしさです。帰国した日本の航空で、なんて応対が丁寧なんだ!とびっくりしました。海外という離れた地へ行くと、日本では気付かなかった日本の良さが客観的に知ることができます。そのことを肌で実感できたことは自分を大きく成長させられたと確信しています。この旅で吸収したこと全てを今後の糧とし、活かしていきたいと思います。
食べ物こそ合いませんでしたが、今回アメリカという世界を牽引している国に訪れたことで、もっといろんな国を見たいという欲がでてきました。まずは大学に入学したら青年海外協力隊に参加し、アフリカに行きたいです。そこでまた日本では味わえないようなことを体験したいです。そして、いつか蓄えた経験を発揮して世界で活躍できるような職につきたいです。
最後になりましたが熊沢さんをはじめとする財団の方々、このような経験をさせていただき、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。有馬さん、胃薬と美味しい水をありがとうございました。かなり助かりました。私がギブアップしてホテルに戻る時にしていただいた英語力向上のお話、ためになりました。迷惑かけてしまったことも多かったと思いますが、8日間本当にお世話になりました。そして引率の先生と一緒に行った友達、心配かけてしまってすみませんでした。体調を気にかけて頂いたことで、沢山救われました。楽しい思い出がいっぱいできたのも、ひとえにみなさんのおかげだと感じています。心から感謝しています。後輩のみなさん、応募しましょう。原稿用紙たった2枚で人生が変わります。せっかく瑞陵に入ったのだから、満喫しないともったいないです。年を取ったら海外に5万では行けませんよ。後悔する前に説明会に行きましょう。