第9回海外学習のレポート ATKさんのレポート
参加者から提出された報告レポートです。個人名や写真の表現・配置等にオリジナルとは異なる点はご容赦ください。皆さんのレポートは下の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
ロンドン&パリ8日間の旅を振り返る
旅行参加の目的
私はインターアクトクラブに所属しており、この二年間、たくさんの人とかかわりながら活動してきた。その中で、課題に直面するたびに、様々な立場から物事を考えることの大切さと難しさを痛感した。そこで、この旅行に参加して海外の人々とかかわったり、自分とは異なる文化に触れたりすることで、物事を考えるための新たな視点を得られるのではないかと考えた。また、趣味で勉強してきた韓国語や、授業で学んできた英語を実際に使えるのか、この貴重な機会に試したいと思った。
韓国での一泊と長時間のフライト
強風で飛行機が飛ばないのではないか、という不安もある中、中部国際空港で集合し、旅行がスタートした。数時間後、搭乗してすぐ「一時間後に離陸する予定です」というアナウンスがあったときには、本当に欠航になってしまうのではないかと思った。幸い飛行機は離陸し、無事に仁川国際空港に到着した。初日から予想外のことが続いたが、長い待ち時間のおかげで初対面の仲間とも仲を深めることができた。


今回の旅行のメインはロンドンとパリだが、私にとってはロンドンに着く前までの時間もとても重要だった。一日目と二日目の私の目標は一言でも多く韓国語を話すことだったため、CAさんへの受け答えや現地のガイドさんとの会話の中で韓国語を使うことができて本当に良かった。夕食で食べたトゥッペギプルコギの感想をお店の人に言った時や、仁川国際空港で「写真をとっていただけませんか?」と声をかけたときにはとても緊張したが、丁寧な表現で伝えられたことが自信になった。
ヒースロー空港までの14時間は、想像していたほど眠れず、映画を見たり読書をしたりして過ごした。ヨーロッパ滞在が始まる直前までお米を摂取したいと思い、機内食は韓国料理を選んだ。おやつにはサンドイッチが出てきた。
ロンドン滞在
ヒースロー空港に無事到着した。最初は自分がイギリスにいることが信じられなかったが、目に入るものがすべて英語で書かれているのを見て少しずつ実感がわいてきた。夕食へ向かうバスの窓からも、日本では見られない、長く伸びたレンガ造りの建物が多くみられ、映画の中にいるような不思議な感覚になった。公道を走るバスのほとんどが、写真や映像しか見たことがなかった二階建てのバスであることにはとても驚いた。ホテルでは、日本でいう1階のことをグランドフロアや0階と呼ぶことに慣れず、目的の階と異なる階で降りてしまうこともあった。


ロンドン二日目の午前はバスでの移動だった。古いレンガ造りの建物の0階にはレストランやアパレルのお店が入っており、上階と異なる雰囲気でありながらうまく調和しているのが驚きだった。
ウエストミンスター寺院は一つ一つの装飾がとても華やかで美しく、それなのに落ち着いた雰囲気を持っていた。ビッグベンは、言葉を失うほどの迫力だった。繊細な意匠が数多く施されており、日本の建物にはないかっこよさがあった。雨が強まったり弱まったりを繰り返していたため、バッキンガム宮殿の衛兵交代式は見ることができなかったが、白馬に乗る警察官やイギリスの兵隊など、日本で見られない光景をたくさん見ることができた。昼食はフィッシュアンドチップスで、想像していたよりもおいしく食べることができたが、ポテトの量の多さには驚いた。



午後は地下鉄と徒歩でロンドンの様々な場所を散策した。地下鉄は名古屋よりもスピードが速く、扉が閉まるのも早いように感じられた。お金を入れて使うオイスターカードや、クレジットカードなどをタッチして運賃を支払うことができた。
ロンドン三日目は、念願の二階建てバスに乗ることができた。車内に階段があるのが新鮮だった。地下鉄と同じくオイスターカードが使えるのが便利だと思った。バスを降りて高級デパートのハロッズを訪れると、地下のギフトショップにはテディベアやかばん、エコバッグ、マグカップなどが並んでいた。1ポンドで1ペニー硬貨をテディベアの絵柄にできるメダルメーカーもあり、細かく使いづらい小銭をかわいいメダルに変えられるのは、観光客にとってうれしいことだと思った。昼食はカムデンタウンでとった。人の多さに驚いたが、たくさんの飲食店の店員さんが串刺しにした食べ物を通行人に突き出して客を集めているのがとても面白い光景だった。飲食店とは対照的に、雑貨屋の店員さんは皆スマートフォンを見ていた。
映画「ハリーポッター」シリーズの9と4分の3番線があるキングスクロス駅には、壁に刺さったカートやポップアップストアあり、観光客が写真を撮影していた。その後、大英博物館に向かう途中の古い建物についてのガイドさんの説明の中で、二階の天井の高い部屋で財力をアピールするためにパーティーが行われたという話があったが、私が読んでいるイギリス人作家の小説で貴族がしょっちゅうダンスパーティーを開催することに不思議に思っていたため、理由が分かってよかった。
大英博物館は古代ギリシャ風の外観の建物で、想像以上に大きかった。スリに警戒しながらも、日本では見られない歴史的に重要なものをたくさん見ることができた。実物のミイラは少々不気味で写真に収める気にならなかったが、日本でも昔行っていた屈葬で、保存状態がとてもいいという。日本がテーマの部屋には、仏像やアイヌ民族の衣装、現代の作家の作品などが展示されており、海外の人にとっての日本を少しだけ見ることができた気がした。
夕食は二度目のフィッシュアンドチップスで、今回は魚が揚げられていないものだった。



ユーロスターでの移動
ロンドンでフランスへ入国するとは思ってもみなかったが、無事に審査を終えることができた。驚いたことに、このセントパンクラス駅のトイレは男女で分かれていなかった。扉は厚く天井まできっちり閉まっていたから、日本でも人の多い施設なら実現できるのではないかと思った。
教科書で見たユーロスターに乗ってパリへ向かった。発車して数十分トンネルを走ると気づいたらフランスにいた。外には山や草原、牧場などが見え、ロンドンとはかなり違った景色が見られた。
パリ滞在
現地のガイドさんの話によると、フランスでは、予約の時間に間に合わないとすぐにキャンセルされてしまうことがあるらしい。一方で、地下鉄などの遅延はとても多いそう。
バスでヴェルサイユ宮殿に向かったが、ロンドンに比べて新しい建物が多いように感じた。古い建物の並びの中に現代的な建物が突然現れたり、その逆もあったりしたのが新鮮だった。やはりイギリスの建物と比べて建物のデザインが華やかに思えた。
ヴェルサイユ宮殿はいたるところに金色の装飾が見られ、庭園は写真で見ていたよりも大きく感じた。宮殿内には数々の絵画が飾られ、その中には王や王妃の肖像画もあった。寝室は華やかに飾られており、革命が起こるのは無理もないと思った。



夕食に向かう途中のバスからはエッフェル塔も見えた。美観地区で建物の高さ制限があるからか、より一層高く見えた。
翌日は、モンマルトルの丘にあるサクレ・クール寺院を訪れた。外観はもちろん、イエスが描かれた大きな天井画も迫力があった。ちょうどこの日は晴れていて、美しいステンドグラスに光がさして幻想的だった。建物の周辺には様々な店が並んでおり、パリの様々な美しい景色の絵を描いている人がいた。スリも多く、日本語や中国語、韓国語で声をかけられ、工夫して掏ろうとすることにもはや感心してしまった。移動中のバスからは凱旋門が見えた。


午後は地下鉄で移動し、ルーブル美術館を訪れた。地下鉄は乗客が自分で扉を開ける方式で、現地の人は電車が完全に止まる前に開けていて驚いた。ガラスのピラミッドは想像していたよりも大きかった。モナリザやサモトラケのニケ、ミロのヴィーナスなどの有名な作品だけでなく、エジプトやギリシャの展示品もあった。改修中なのか、額縁だけで作品が飾られていない部屋もあり、珍しい光景を見ることができた。あまりの広さで迷ってしまうこともあったが、その分たくさんの作品を見ることができた。




パリ3日目、この旅行で観光できる最後の日の午前は、地下鉄で移動してオペラ座周辺を散策した。デパートのギフトコーナーでお土産を購入したりした。
ホテルの近くに戻って昼食をとった後、ピカソ美術館に向かった。美術の教科書で見たような作品が多く並んでいたが、それぞれの作品にその当時のピカソの感情が込められているのが面白いと思った。今まで何気なく見ていた絵だったが、ピカソの変人ぶりを聞くとまた見方が変わってくると思った。その後は様々なアートのお店を眺めながら散策した。
旅の終わり
寂しい気持ちと清々しい気持ちの両方を抱えながらシャルルドゴール空港へ向かった。荷物を預けるときや出国審査のときに日本語で話しかけてもらえたのがとてもありがたく、温かい気持ちになった。
飛行機が飛んで眠気がピークに達した頃に機内食が出され、久々にお米を食べることができた。CAさんに「韓国の方ではないですか?」と聞かれたとき、「日本人です」と韓国語で答えて理解してもらえたことがとてもうれしかった。疲れもあってか、ロンドンへ向かった時よりも眠ることができた一方で、激しい揺れもあったために少し酔ってしまった。
12時間ほどで仁川に着き、数十分程で乗り換えて日本へ向かった。予定より遅く離陸したが早く到着した。空港では先生方が出迎えてくださった。旅行が終わってしまう寂しさもあったが、無事に日程を終えられてとても安心した。
この旅行で学んだこと
言語が分かるということが自分に与える安心感の大きさを知った。それと同時に、旅行客に対して、わかるように伝えようと努力してくれる現地の人々の優しさも知ることができた。どの国にもピクトグラムがあったが、そのおかげで得られる情報量もとても多かったため、より多くの人に理解してもらうための工夫はどんな場面でも大事なのだと改めて感じた。また、それぞれの国での考え方や文化の違いをほんの少しだが知ることができたと同時に、自分と違うものを排除することなく受け入れようとする努力が大切なのだと改めて思った。さらに、今までの私はできるだけ楽な移動手段を選びがちだったが、この旅行でたくさん歩いたことで、この世には自分の足で歩かないと気づかない小さな喜びや工夫がたくさんあることを学んだ。この旅行がなければ決して関わることがなかったはずの仲間とも出会えて、思わぬ話題で盛り上がることもあり、とても充実した8日間になった。
これから大学や就職先などで多くの人と関わることになると思うが、人の優しさをもっと信じて、困ったときは助けてもらいつつ、自分も助けてあげられるようになりたいと改めて思った。また、どのようなコミュニケーションにおいても相手が理解しやすい伝え方が大切になると思うので、日本語や英語、韓国語はアンテナを張ってさらに深く学び、他の言語にも挑戦して、より多くの人の文化や考え方に触れ続けたい。
日本の高校生のほとんどが手元の機器で大量の情報を得られる時代になったが、そこで見られるのはこの世界のほんの一部なのだと、この旅行で強く感じた。感じ方、考え方が人それぞれ違うからこそ、この旅行を通して自分の目で見たり、聞いたり、考えたりした経験は、これからの人生に大いに役立ってくれると思う。皆さんも、目の前の機会を大切にしながら、自分が少しでもやりたいと思ったことには、可能な限り挑戦していってほしいと思う。
一般財団法人瑞陵高校助成基金、添乗員さん、ご協力いただいた先生方に、深く感謝申し上げます。
