設立一周年記念海外学習のレポート ITF2014 2年K.Mさん
参加者から提出された報告レポートをWeb用に編集しました。皆さんのレポートは下記の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
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参加の目的
私は小さいころから海外に興味があり、行ってみたいなと強く思っていましたが、ヨーロッパなどへは遠すぎてなかなかいける場所ではないので憧れの世界でした。
しかし、今回ヨーロッパ研修ということで是非行ってみたいという思いで応募しました。
また、私は美術が好きで前から行ってみたいと思っていたルーブル美術館や数多くの美術館を訪れることができるので実際に作品を見て、自分がどう刺激されるのか知りたいと思いました。
学んだこと 感じたこと
<美術館>
初めに、ウフィッチ美術館そして、アカデミア美術館に訪れました。
ウフィッチ美術館は目にした事のある作品ばかりで、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」や「プリマヴェーラ」はとても華やかでした。
アカデミア美術館ではダヴィデ像を見ることができました。大きな像に大きな手、力強く迫力のある作品でした。貴重な後ろ姿も見ることができ、実物の大きさには圧倒されました。
そして、今回の旅行で最も見学予定が難しいといわれたレオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐を見ました。写真ではわからない遠近法を見ることができ、真ん中の一点から広がってくる絵は描かれていない空間までも絵の一部となって見えます。今は少し壁の上のほうにありますが当時は床と接していたのでまさしく、自分がこの場にいるかのように思われたそうです。ひとりひとりの動きには、それぞれ特徴があるので見ているだけで時間があっという間過ぎてしまいます。映像の一部を見ているかのような臨場感がありました。
ブレラ美術館で私が気に入ったのは、カラヴァッジョのエマオの晩餐で、二人の弟子が食卓をともにした男が復活したキリストであることを描いた作品です。光と影がうまく表現されていて、肌のシワまでも細かく描かれていました。暗闇の中にさす光と人々の照らされた顔の表情にはそれぞれの感情が見えてくるように感じました。他の絵と見比べても肌を照らす光の表現の差には歴然です。
ブレラ美術館では絵の修復の様子をガラス越しに見ることができます。残念ながら作業をしている様子は見れなかったのですが、修復するための大きな機械やさまざまな道具を見ることができました。滅多に見ることのできない光景だったので本当に良かったです。
続いてオランジュリー美術館ではモネの作品を見ました。
ここでは二つの展示室に飾られた八枚のパネルは時の流れが描かれています。近くで見ると、線や点描でなされていて何が描かれているのかわかりませんが、遠くから見ると一つの絵になっています。点描で表されていた光を発見したときは感激しました。
私が特に好きなのは「朝」の睡蓮です。
水に浮かぶ葉と水に映る景色がゆらゆらとゆれているように感じました。写真を撮ることができなかったので、ポストカードを買いましたがやはり実際に見たほうがそのすばらしさを実感できると改めて思いました。
また、オルセーでもモネの作品を見ました。
オランジュリー美術館とはちがった角度で描かれた風景でした。「睡蓮 緑の調和」は水と光の表現が絶妙で鮮やかな緑が印象的でした。私はモネの作品を知らなかったのですが美しいモネの絵に感動し、美術館を一周した後でももう一度みてしまうほど好きになりました。
一番行ってみたかったルーブル美術館では以前からサモトラケのニケを見たいと思っていたので、見ることができてとても嬉しいです。
サモトラケのニケはよくテレビで見ていたのですが私の中では小さいイメージでした。また、顔がないのになぜこんなにも人々に愛されているのか、不思議に思っていました。
実際に階段の先にある船の上に立っている像を見た瞬間、その大きさに圧倒され、彫刻とは思えない波しぶきでぬれた服の表現や翼を広げ波風を受けている表現には躍動感を感じました。顔がないからこそ威厳に感じるのではないかなと思いました。
今回の研修では数多くの美術館に訪れることができました。
ルーブルでは一室に何百年ものちがう宗教画が飾られていることや古代から描かれた絵には長い歴史を感じました。また、どの美術館も近くで見ることができ、絵の具の質感や細かい筆のタッチには画家それぞれの特徴があることも知りました。
予想以上に絵から受ける迫力はすごく、体全身で感じることができ本当に貴重な体験でした。
美術館の他にもさまざまなところに訪れました。
<ナポリ ポンペイ遺跡>
ナポリにあるポンペイ遺跡は港の近くにあるのでとても栄えていたそうです。街全体が残っているので、古代の生活ぶりを見ることができました。二千年前という長い年月の中で崩れないで残っているものを見ることができ、だか不思議な感じがしました。古代の人々は何もないところから作り出し、その作り出したものがあるからこそ今にも繋がると思うと歴史の奥深さ感じます。壁や床はただシンプルなだけではなくきれいに装飾されたものばかりで古代人の感性の豊かさに魅せられました。
<フィレンツェ ドゥオモ>
訪れた都市の中で私が一番好きな都市はフィレンツェです。
周りの建て物とはちがう存在感のあるドゥオモには何体もの像が飾ってあり淡い色の大理石が幾何学模様に表された美しい建築です。
残念ながらク―ポラには上れなかったのですが、ジョットの鐘楼には上ることができました。
ジョットの鐘楼は414段の階段で狭い空間をひたすらのぼり続けました。
ところどころに休憩する場所があり、景色が見えるので高くなっていくごとに喜びを感じました。上りきった後のフィレンツェの絶景は今まで見たことのないはっきりとした色の統一感と奥のおくまで広がる景色には見とれてしまいました。
また、下りる途中の休憩所で休んでいると鐘楼がなり始めました。真上で鳴っているので全身で音を感じ、空気のゆれも伝わってきました。遠くまで聞こえる音を間近できくことができ初めての体験でした。
<ミラノ ドゥオモ>
以前写真で見たことはありましたが写真からでもそのすごさは伝わります。そして今回実際に見ることができて本当によかったです。
日本では見たことのないゴシック建築で何十体もの像が装飾されています。白く上にまっすぐのびた135本の尖塔は空の青までとどきそうなくらい鋭く威厳がありました。外部は細部まで造りこまれているので見ても見切れないほどです。
内部のステンドグラスは左から右へと絵物語になっています。光に反射している大きな3つのステンドグラスの輝きは今も脳裏に焼きついています。
<パリ ベルサイユ宮殿>
どの部屋も豪華なつくりで見とれてしまうものばかりでした。中でも特に気に入ったのは鏡の回廊です。当時の鏡が壁いっぱいにそのまま残されていて、自分の姿が映ったときは感激しました。
昔の貴族もこうして見ていたのかなと思うとなんだか嬉しく思います。
また、ここで1914年にベルサイユ条約が結ばれたのも驚きです。
数多くの建物に訪れ、たくさんのフレスコ画やモザイク画を見ました。
こんなにも細かい作業を長い月日をかけて造る絵は見るものを圧倒するものばかりでした。そして、建物の建築には人間の知恵のすばらしさを感じ、長い歴史があるからこそ現在があることを改めて実感しました。
エッフェル塔にのぼりました。
上る時の待ち時間に有馬さんがアメリカ人の少年と会話をしている様子はそばで見ていて、とてもかっこよく、私も話すことができたらなと思いました。英語が話せることで新たに世界がもっと広がることを確信しました。
また、機内で放映される映画を英語訳で観たのですが映像ではなんとなくわかるもののはっきりとした内容はわかりませんでした。もし理解できたら映画の幅も広がるのになと思い、やはり英語は必要であると痛感しました。
気づいたこと
イタリアの人々はいつ見ても仕事中、仲間たちと楽しそうに仕事をしていました。会話をしている様子を見ていると楽しい気持ちになります。今を楽しんで生きているという思いがとても感じられ、私に足りない部分を教えてくれるかのように自分もそうでなくては人生楽しくないということ気づかされました。
イタリア、パリで一番気をつけたことはスリです。地下鉄は日本とはちがう雰囲気でスリが非常に多いと聞いていたのでとてもこわかったのですが、幸いスリにあうことはありませんでした。
普段の生活から気をつけなければならないので毎日かばんを前にさげて大変でした。日本が安全であることがこんなにもすばらしいのだと改めて思いました。
食事は毎日とてもおいしく、ボリュームもありました。
カタツムリのエスカルゴは勇気がいりましたが、食べてみるとバジルとオリーブオイルがきいていて本当においしかったです。食わず嫌いはもったいないと思いました。
まとめ
研修に行ってたくさんの事を感じ、学ぶことができました。自分が進むべき方向について、また、そのためのやるべきことについて深く考えるようになりました。今学ぶべきことを学び、大学に行ってからはより具体的に行動していきたいです。この機会によって、将来の自分について考えることができ、以前の自分より少し成長できた気がします。
今回の研修で多額の費用を寄付してくださった熊澤さんをはじめ、一般財団法人の方々や加藤さん、有馬さん、そして日比野先生、杉本先生また、支援してくださった周りの皆さま、見守ってくれた両親には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
高校生の時期にこんなにもすばらしい経験をさせて頂いてとても幸せです。
もし、応募しようか迷っている方は是非応募してください。私自身研修に参加できて本当によかったです。日々新たな発見や驚きの連続でした。感じたこと、学んだことを心に刻み大切にしていきたいと思います。