ITF2014報告集02

  設立一周年記念海外学習のレポート ITF2014 1年M.Yさん 

参加者から提出された報告レポートをWeb用に編集しました。皆さんのレポートは下記の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
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 研修旅行を終えて

1 研修旅行参加の目的

僕がこの旅に参加した理由は知識と教養を深めるためです。僕は美術や世界史やそれに登場する人物に興味がありました。しかし、ただ知っているだけでは本物の知識にはならないと考えました。ある絵画について、作者やうんちくを知っていたとしても、その絵画を見たことがある人が言うのと、見たことがない人は言うのでは説得力が違うと思います。つまり僕はこの旅に参加して本物を見ることで、本物の知識を身につけたかったということなのです。簡単に言うと「百聞は一見にしかず」ということです。そして参加した理由はもう一つあります。それは、世界的に有名な絵画や彫刻などを見た際どんな気持ちになるのかが知りたかったからです。知り合いでイタリアやフランスに言ったことのある人に話を聞くと、「○○はすごかったよ。」と言うのですが、「どうすごいの。」と聞き返すと「見たらわかる。」と言い返されてしまいます。なので、このどうすごいかということも感じ取りたかったからです。

2 一番感動した場所

システィーナ礼拝堂の天井画

この旅では世界的に有名な絵画や彫刻を見学しました。代表的なものにはモナリザ、ミロのヴィーナス、ダビデ像、最後の晩餐、このほかにもまだまだたくさんあります。しかし、僕が観光した中で、一番感動したのはシスティーナ礼拝堂でした。また、礼拝堂のあるバチカン市国はこの旅で観光した最初の場所でした。
観光初日でヨーロッパの町並みや文化にまだ慣れていない頃だったのでとても緊張していました。
礼拝堂の中は写真撮影禁止(これらの写真はインターネットから)、私語厳禁とルールが厳しく、いままでに感じた事のないような気分でした。中は一面絵が描かれておりどこをみても飽きませんでした。中でもひときわ目立っていたのは「最後の審判」でした。正直僕は、システィーナ礼拝堂はあまり楽しみにしていなかったのですが、その気持ちは一変しました。ミケランジェロによって壁全体によって描かれた絵は何とも神々しく、初めて心が洗い流されるという気分になりました。最後の審判はミケランジェロの代表作で1541年に完成しました。

システィーナ礼拝堂の天井画

絵の中には400名以上の人物が描かれており、中央にいるキリストが死者に裁きを下している場面です。絵の左側には天国へ登っていく人が、右側には地獄へと墜ちていく人が描かれています。そして、この絵には、実は日本も少しだけ関わっています。この絵は長年すすで汚れていましたが、日本テレビの支援により1981年から1994年まで修復作業が行われました。ミケランジェロの死後、裸体を隠すため、いくつかの衣装が書き込まれていましたが、一部を除き元の姿に復元されました。
ミケランジェロという人物は23歳のときに、かの有名なピエタ像を造り、ダビデ像なども造った偉大な彫刻家のイメージが強いですが、このような壮大で美しい絵を描くことができたのは彼の天才ぶりや万能な芸術家であったからといえます。

3 旅を通して感じたヨーロッパと日本の違いやヨーロッパのおもしろさ

僕はヨーロッパに来て驚いたことがたくさんありました。まずは水道水が硬水のため飲食店では高いお金を払って飲料水を購入しなければならないということです。海外の飲食店は利益は取れるだけ取ろうという考え方のため日本では考えられないことがたくさんありました。フランスのフードコートで食事をしたとき、セットメニューの頼み方が分からず、セットに含まれる商品を注文すると、それぞれ単品の値段を取られ、数百円損をしました。海外では当たり前のことかもしれませんが、日本ではおそらく「セットメニューがお得です。」などと言ってくれると思います。また、公共のトイレもお金を払わなければできず驚きました。

ホテルの不可思議なもの
驚愕のミッキーマウス

また、ホテルでも不可思議なものを発見しました。行ったホテル全てにありました。これはどうやらウォシュレットらしいのですが使う人はほぼいないそうです。
そして驚愕だったのが左の写真です。これは世界的人気を誇るあのミッキーマウス、、、の着ぐるみを着た人です。よく見ると下は明らかにジャージ、顔も全然違います。ミッキーの足下にある缶にお金を入れてくれということです。このほかにも道ばたで商売をしている人たちがたくさんいました。

ハンバーガー

フランスではマクドナルドでハンバーガーを食べました。Big Tasty という名前でしたがその名の通り、巨大でした。さらに写真の右手にあるケチャップとそれと重なっているタルタルソースが必ず付いてきます。そして、日本のマクドナルドと海外のマクドナルドの決定的な違いは従業員の数です。フランスのマクドナルドの従業員は20人近くおり、お互い邪魔になりそうなくらいでした。そして、分かったことは外国人は日本人に比べてアバウトだということです。当たり前と思う人もいると思います。僕もそう思っていました。しかし、想像以上でした。お土産を買ったときでも袋を渡されて終わりというところもたくさんありました(デパートやしっかりとしたお土産屋はそんなことありません)。日本ではお客様へのおもてなしを最優先しますが、海外ではお金のことばっかり考えているので、外国人が日本に来て感動するのも分かったのと同時に日本のおもてなしの質の高さを改めて感じました。いろいろ日本とは違うところがたくさんあって外国はおもしろいなと思いました。

4 心癒やされる絶景

凱旋門から見たパリ
フィレンツェ

左が凱旋門から見たパリ、右はフィレンツェ

車窓から見たひまわり畑
ヴェネチアの夜景

左がフィレンツェに行く電車の車窓から見たひまわり畑、右がヴェネチアの夜景
イタリアもフランスもどこを見てもきれいでオシャレでした。僕は別に写真を撮るのがうまいわけではありませんが、なんかきれいに写真が撮れる、それがヨーロッパなんだなあと思いました。ちなみに左下のヴェネチアの写真を撮った時刻はなんと8時45分、日が沈むのが遅いのも衝撃の一つでした。

5 本場の美味

イタリアやフランスに行くメインの一つでもある食事、本場のイタリア料理やフランス料理を堪能してきました。そのなかでも特に印象に残った食べ物を紹介します。

ローマ風ピザ
ナポリ風ピザ

左はパリパリのローマ風ピザ、右はもちもちのナポリ風ピザ

イカ墨パスタ
エスカルゴ

左はイカ墨パスタ 右はエスカルゴ

6 このたびを通して学んだこと

このたびを通して学んだことは主張することの大切さです。日本人は譲るなどと聞いたことがありますが、海外で受け身に回ってしまうとおしまいだと僕は考えます。なぜなら、向こうの人がなにを話しているかなんて現地語だったらまず分からない、英語でも早くて聞き取れず、会話がストップしてしまうからです。なので、簡単な英語で「○○したい」と主張し続け、相手が理解していないようだったら、ジェスチャーを使うことが海外でやっていく方法だと分かりました。僕も初めは外国人と会話ができず、困ってばかりでしたが、旅の途中にこのことに気付き後半はうまくやりくりができました。

7 この経験を、今後の自分にどう生かしていくか

僕は高校一年生にして本当に貴重な経験を積ませてもらったと思います。海外には理不尽なことやおかしいことがたくさんあり、日本で自分がいやだったことが小さく思えました。そして日本に生まれたことへのありがたみを改めて感じました。これからは広い心と広い視野を持ってどんなトラブルにでも冷静に対応し、解決できる人間になりたいです。

8 一般財団法人瑞陵高校助成基金や、ほかの生徒に伝えたいこと

熊澤さんをはじめとする財団の方々にはこのような充実した旅を企画し助成してくださったことに本当に感謝しています。自分も将来、母校である、瑞陵高校に研修費用などを寄付して恩返しができればなあと思っています。また、今回の旅に応募しなかった人へは生意気ですが次回からぜひ、応募するべきだと思います。僕も応募するか迷っていましたが応募して大正解でした。やはり学生のうちに海外を経験するのとしないのとでは今後、大きく変わってくると思うので思い切ってチャレンジするべきだと僕は考えます。僕も旅を終えてより美術史や世界史への興味がより深まりました。