第7回海外学習のレポート 3月22日分 2年THKさんのレポート
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スミソニアン博物館群とメトロポリタン美術館見学8日間の旅
3月22日(金) 2日目
研修旅行2日目は、ワシントンDCにて市内研修を行いました。旅の記録としてのレポートということですので、時系列順に報告させていただきます。
この日最初に向かったのは、アーリントン国立墓地です。ここは戦没者たちが眠る場所。正直、アメリカに来て初日の、それも朝一番の見学場所が墓地か…と気分の乗らない部分がありました。しかし、いざ中に入ってみると、そこはとても素晴らしい場所でした。まず目を奪われたのは、縦横斜めどの角度からみても完璧に整列された墓石の数々。見渡す限りの真っ白な墓石はいかにも軍の規律正しさを示しているようで、と同時に国のために亡くなった彼らを最期まで大切にしようとする姿勢が窺えました。亡くなった本人だけでなく、その家族まで一緒に葬ってくれるという制度がそれを表していると思います。日本で墓地というと妖怪や幽霊といった怖いイメージがつきまといがちですが、ここはむしろ軍人たちからパワーをもらえる場所でした。
次に向かったのは、リンカーン記念堂。第16代大統領エイブラハム・リンカーンの功績を称えた建物です。ここは事前学習で僕が担当した場所でもありますので、調べてきたことを実際に肌で感じ、体に焼き付けてきました。インターネット上の写真では決してわからなかった石材の滑らかな肌触りに、リンカーン坐像の厳かな迫力。あのキング牧師が演説を行った場所と同じ場所に立つこともできました。そこからは国会議事堂が正面に見え、ここで演説を行った意義をはっと気づかされ、また、演説当時の緊張感が伝わってきました。
次に向かったのは、ホワイトハウスならびに国会議事堂。この日、ホワイトハウスには上院議員の方がいらっしゃっていたそうです。ちょうどその方がリムジンで中に入っていく様子を見ることができました。政治の中心として機能している部分を見ることができ、本当に幸運であったと思います。肉眼で見えるほどの近さであったのに、ホワイトハウスはとても遠い存在に見えました。世界の権威を目の当たりにした証拠でしょう。
そんな中にも、一つの癒しが! なんと、ホワイトハウス前の公園でリスに遭遇しました。名古屋ではまずありえないシチュエーションです。そんな愛くるしい姿に僕たちはメロメロでした。少しあたりを見回してみると、カラスが1羽もいないことに気がつきます。ハトもスズメも、ほとんどいません。生態系という観点からも、日本との違いを発見することができました。
さて、続いて国会議事堂。第一印象として感じたのは、とても大きくて、かっこいい。ワシントンでは、この国会議事堂よりも高い建物を建ててはいけない、という決まりがあるそうです。こんなにも立派な建物で国会が開かれることを考えると、政治家の皆さんはさぞかし力が入ることだろうと感じました。てっぺんに立つ自由の女神像。この自由は「liberty」ではなく「freedom」を表していることを教えていただきました。他国の支配から独立したアメリカにとって、これは大変おおきな意味があることは容易に想像できます。
この日はユニオン駅でランチ。自由行動で、それぞれが思い思いの時間を過ごしました。アメリカに来て、初めて自分で注文をしての食事です。頼んだものとは全く違うメニューが提供されてきたり、1つしか頼んでいないものが2つ提供されてきたり。失敗もありましたが、とても良い経験になりました。僕たち男子のグループはというと、ある出会いがありました。フードコート内を散策していた時のことです。そこには、日本ではあまり見られないものがありました。VR体験ブースです。アメリカは日本よりもVR技術に積極的なようで、博物館や後述するウドバーハジーセンターなどいろいろな場面で出会いました。しかし、今ご紹介したいエピソードはVRに関することではなく、そのブースの横にあったパックマンのゲームについてです。僕たちが興味本位でやったこともないパックマンのゲームをプレイしていると、一人の少年がこちらにやってきました。
「お兄さんたちまだまだだね、僕が魅せてあげるよ!」と言いたげな様子で。とんでもないフランクさ、フレンドリーさに僕たちは呆気にとられていました。彼にコントローラを譲ると、良プレイの連続。少しずつギャラリーも集まってくるほど。さすがに驚きました。これがアメリカンのノリ。一瞬で友達になれてしまう。すぐに集合時間が迫ってしまったのが残念でした。
良い出会いののちに、午後の研修として僕たちが向かったのは国立航空宇宙博物館別館(ウドバーハジーセンター)です。ここにはスペースシャトル・ディスカバリーやブラックバード、月光といった誰もが一度は聞いたことがあるような有名な機体が、それも本物が展示されています。僕は特にスペースシャトルに惹かれました。今目の前にあるこれが、宇宙に行ったんだ…そう考えるだけで興奮しました。機体を観察してみると塗装が剥げている部分、大気圏突入の際の摩擦熱で焦げている部分がみられました。
ディナーはイタリアンでした。意外だったのは、大皿に料理が盛られ、みんなでシェアして食べるスタイルだったことです。テーブルも中華料理を連想するものでした。そのテーブルの中心にはローマ法王の胸像。テーブルにあわせてクルクルと回る様子はシュールで、あまり箸が進む感じではありませんでした。箸は使ってないですけどね。
とてもとても長い1日がやっと終わりました。濃い。この一言に尽きます。たった1日とは思えないほどの多くの実りがありました。以上で報告とさせていただきます。