US2017報告集_個人9

第5回海外学習のレポート 1年 KOK さん

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スミソニアン博物館群とメトロポリタン美術館見学8日間の旅

研修旅行参加の目的

1、将来、外国と関わる仕事をするために、多文化社会であるアメリカに行って、多くの文化を学ぶため。
2、日本とアメリカの文化の違いを学ぶことで世界のグローバル化に尽力できるような力をつけるため。
3、スミソニアン博物館群とメトロポリタン美術館でアメリカの歴史を学ぶため。

海外研修

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一日目

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中部国際空港からデトロイトまで航空会社デルタの航空機で渡航。右は日本離陸後すぐの写真。左は機内サービスの写真。
そしてデトロイトから飛行機、バスを使ってワシントンDCに。ワシントンにつくとまず感じたのが少し肌寒いということ。そして、天気は快晴で、青い空が広がっていました。僕が6歳のころからずっと、海外への憧れがあり「アメリカという世界で一番偉大な国に行ってみたい。」という夢が叶った瞬間でもありました。そんな余韻に浸る間もなく、私たちは早々とバスに乗りました。下の写真を見てもらうとわかる通り、ワシントンは道が広く、建物の密集もない、とても快適な空間でした。そうして車を走らせて50分程、着いた場所はウドバー・F・ハジー・センター。
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左はワシントンを上空から撮った写真。中はアメリカで初めて外に出た時の写真。
宇宙航空博物館別館
ここは飛行機や飛行船を主に扱っている博物館で、大きい飛行機、戦闘機がずらりと並んでおり、その迫力に思わず見とれてしまいました。飛行機の大きさや、細部、表面の質感など、間近で見学できました。その中でも印象に残っているのは、スペースシャトルです。スペースシャトルは表面が白くなっています。それは大気圏に突入する時に熱で白くなったからです。スペースシャトルを作り上げた人間と宇宙の偉大さに感激しました。その特徴が顕著にあらわれていました。そのほかにも数え切れないほどたくさんの飛行機で、大きさを比較しやすかったです。とても感動しました。
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アーリントン墓地

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二日目、アーリントン墓地に訪れました。実際は写真でみたよりも遥かに広く、写真のなかには到底収まらないなと感じました。規則正しく並んだ墓地は丘を覆うように広がっており、その美しさに心うたれる瞬間もありましたが、この墓地の数だけ戦死した人の人生があるかと思うと心に痛むものがありました。
その後、硫黄島記念碑、リンカーン聖堂、ベトナム戦争慰霊碑、朝鮮戦争慰霊碑をまわりました。次に、ホワイトハウスへ。ホワイトハウスはテレビなどで見る時よりも若干小さく感じました。芝生の緑とホワイトハウスの白の対比がとても美しく感じられました。
そして、昼食の時間。私たちはイースタンマーケットというところで各自注文しなければなりませんでした。自分にとって初めて生の英語を話す機会だったので、とても緊張しました。私はメキシコ料理を注文したかったのですが、やはりアメリカでは、すべてのものが大きく、一人では食べきれそうにありませんでした。
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左はイースタンマーケットの出店の、右は昼食の写真。
そこで私は半分に切ってもらってシェアしようと考えました。ただ、半分に切ってもらうためにはどんな英語を使ったら良いのだろうと、とても悩んでしまいました。ただ、思い切って、「Please cut half.」と伝えると、すぐに「Sure.」と定員さんが言ってくれました。この時、英語で必要なのは文法などよりも「伝えたい」と思うことだと知りました。この伝え方は文法上では間違っている(正解は「Please cut in half. 」)のですが、合っているかという心配をしていることは無駄でした。この時から英語をもっと積極的に使っていこうと思いました。

ナショナルギャラリーオブアート
昼食後、私たちはナショナルギャラリーオブアートに行きました。ここではいつも美術の教科書でしか見たことのないものばかり見ることができました。私はこのツアーに参加するまで、美術には興味がありませんでした。ただ今回のアメリカに行く際に立ち寄るということが決まってから調べはじめたのですが、調べていくうちに興味がわき、しまいには「本物を間近で見たい!」と待ち遠しく思えるほどでした。特別有名なものしか予習してこなかったのですが、その場で初めて見た感動も数え切れない程できたので、とても満足でした。
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左は画家ラファエロの「アルバの聖母」という絵。絵の中の左の人物は洗礼者ヨハネ、真ん中はキリスト、右には聖母マリアを表し、キリストに十字架を持たせることでキリストの十字架にされる運命を暗示している。真ん中の絵は、ナポレオンが現実より大きくみえるように描かれていることで、ナポレオン自身気に入っていた。右はゴッホの自画像。
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左は高さ5mほどある大きな絵で迫力が凄かった。中は水の流れる感じを絵に上手く表していて感動した。

三日目

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私たちはホロコーストメモリアルミュージアムに訪れました。ここは旧ナチスによるユダヤ人迫害の本当の恐ろしさを伝えるための記念館で、こんなことが本当にあったのかと目を疑うことばかりでした。まず、私が興味を持ったのが左下の写真で一部屋の中に沢山の迫害されたユダヤ人の写真が貼ってあります。こんなにも沢山の人々が迫害されたのだと知り、とても心痛く感じました。

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また、右の写真は当時の虐殺されたユダヤ人の靴であり、この、靴の無造作に山積みにされたものを生で見て、何かを私に訴えているようでした。このミュージアムは写真を撮っても全然構わないのに撮ることをとても難しく感じました。そのくらい重い雰囲気で写真におさめる度にとても辛い気持ちになりました。「見ているだけでこんなにも辛く感じるなんて。」「こんな辛い現実を直視することなんてできない。」「まして、自分がもし当時のユダヤ人なら…とても想像することができない。」自分はこの現実にとても向き合えそうにありませんでした。

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そんな中、二階に進むと一枚の日本人の写真がありました。それは杉原千畝の写真でした。今までこの人の名前は何度も耳にしたことがありましたが、この記念館でユダヤ人迫害の恐ろしさを痛感して、こんな悲惨なのにそれでもこの現実に立ち向かった彼は本当にすごいと感動しました。そして自分は杉原千畝の後輩として、このような現実にも立ち向かえるような人間でありたいと強く思いました。

四日目
私たちはワシントンDCから、飛行機でニューヨークへ。ニューヨークに出て最初に思ったことはワシントンに比べて高層ビルが多く、空がとても狭く感じました。ウォール街やニューヨーク証券取引所などのビルが密集している場所でさえも道幅が狭いので人混みができやすく、人混みをかき分けて進まなければなりませんでした。
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ダウンタウンで散策した後、私たちは自由の女神を見、その後、グランド・ゼロミュージアムを見学しました。このミュージアムは9.11の同時多発テロの忘れてはならない過去を後世に伝えるため、そして追悼の意味も含めて設立されました。
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左の写真はワールドトレードセンター。右はその跡地の写真。

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左はグランド・ゼロミュージアム、真ん中は9.11の時に出動した消防車、右は実際のワールドトレードセンターの柱。
このミュージアムには上のような9.11によって破損された展示物がたくさん並べられており、9.11テロの凄まじさを物語っていました。それだけでなく、このミュージアムにはテロが起きた時にワールドトレードセンターの近くにいた、もしくは中に入っていた犠牲になった人達の生の声を聞くことが出来ました。
その言葉は全て英語で、理解できないことだらけでしたが、その声のか細さや、思い出すのがとても辛いのか、喉の詰まる音まで聴こえました。またその人たちは一語一語、丁寧に言葉を選びながら話し、その中には聞いているだけで心がえぐられるような言葉も沢山含まれていました。このような犠牲になった人達とは逆に飛行機をハイジャックした人の、ハイジャックをしてから飛行機を追突させるまでの肉声を聴きました。一番衝撃的な言葉が、飛行機を追突させる直前にハイジャック犯が意気揚々と言い放った言葉。「アラーは偉大なり。」そんな事、あっていいのだろうか。宗教の間違った信仰が人を殺すこと。そして、このテロを起こすことを自分の中で完全に正当化していること。どこにもやれない怒りがこみあげてくるようでした。犠牲になった人々、またその家族や友人のその怒りは遥かに大きいと考えると、自分自身に置き換えて考えることはできませんでした。一度、この“二つの声”をぜひ沢山のひとに聴いてほしいと思いました。

五日目

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国際連合の見学やメトロポリタン美術館見学、ミュージカル「オペラ座の怪人」の公演を観に行きました。特にオペラは本当にマイクを使ってないのか疑うくらいの声量と声の響きで、魅了されました。とても余韻の残る、素晴らしいミュージカルでした。

六日目
MoMA近代美術館やブルックリン探索、エンパイアステートビルからの夜景など、とても充実した一日をすごしました。特にエンパイアステートビルからの夜景は今まで観た景色の中で一番素晴らしいものでした。

まとめ

こうしてアメリカでの海外研修は終了しました。今回の海外研修の目的は全て達成できたのではないかと思います。アメリカの、ファストフードがメインの食文化はもって一週間くらいが限界なこと。メトロポリタン美術館やナショナルギャラリーオブアート、MoMA近代美術館の、世界的に有名な絵画を近くで見て芸術の文化を肌で感じたこと。ニューヨークでいきなりおじさんが私の肩をちょんちょんと触り、誰がやったのか分からず戸惑っている私を見て、「僕だよ!」と陽気に話しかけてきて、お互い笑いあったこと。ホロコースト記念館で戦争の悲惨さに改めて気づかされたこと。大自然博物館では今まで見たことのないものばかりで感動しっぱなしだったこと。ワシントンという貧困の差の激しい場所で、貧しい人がお金持ちの集まっている場所に紛れ込み、お金をせがむ光景を目にしたこと。ベトナム戦争戦没者慰霊碑の前でただ一点、石に刻まれた戦没者の名前を見て、涙をこぼしていた人を見かけたこと。一つ一つの光景に心を動かされました。
そして、私はこの世界をより良くするためにはどうしたらいいのかを具体的に考えられるようになりました。今後はこの経験を機に、国際人として働くという夢を現実にしていきたいと思います。
終わりに、今回の海外研修に携わって頂いた方々に深くお礼申し上げます。また、私の海外研修参加を快く承諾してくれた先生方や家族にも感謝申し上げます。このような素晴らしい経験は多くの方の協力があってこそできたのだと思います。私たちもこの海外研修がこれからもより良いものであり続けるように精一杯がんばります。