US2017報告集_個人8

第5回海外学習のレポート 1年 YOS さん

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スミソニアン博物館群とメトロポリタン美術館見学8日間の旅

研修旅行参加の目的

買い物のときやレストランでの会話、博物館や美術館での会話などで、どうすれば現地の人とうまくコミュニケーションが取れるのか、自分にとってベストな方法を見つけたかった。また、戦時中に使われた航空機を見て、戦争についてより深くイメージできるようになりたいと思った。

ウドバー・ハジー・センター

スティーブン・F・ウドバー・ハジーの死後、スミソニアン協会に寄付された彼の財産で開館した。スティーブン・F・ウドバー・ハジーは、航空会社に航空機を貸し出しする会社の設立者である。ダレス国際空港の近くにあり。着陸する飛行機も見えた。

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「スペースシャトル ディスカバリー号」
重量2000tの巨大な機体から、既に退役していると思えないような迫力を感じる。しかし、近くで見ると大気圏突入時の高熱により耐熱タイルは白く変色しており、いかに過酷な環境にさらされていたかがわかった。1984年に初のミッションを遂行して以来、ISSの建設資材、日本の実験棟「きぼう」の運搬など、宇宙開発に大きく貢献した。また、若田光一さんら5人の日本人宇宙飛行士も搭乗するなど、日本にも関係の深い機体である。27年間使われ、2011年に退役した。39回の飛行だったが、100回の飛行に耐えられるように設計された。これから人類の宇宙開発はもっと加速すると思うが、その礎にこのスペースシャトルがあったのだなと感じた。

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「B-29 エノラ・ゲイ」
広島に原爆を投下したことで有名だが、長崎への投下の際にも天候観測を行った。原爆は投下から44秒で爆発するため、投下する爆撃機も早くその場から離れなければならなかった。機体は銀色に塗装されており、想像以上に大きく感じた。人の手が届かないような位置に展示されており、未だに原爆投下に関してアメリカ国内の意見が分かれていることを感じさせた。展示が決まった際にも賛否両論があった。

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「桜花」上左
第二次世界大戦中の日本の特攻兵器。親機により上空まで運ばれ、人が乗り込み切り離され滑空して敵に体当たりする。成功率は低く、重いため親機にとっても危険な攻撃だった。人が乗り込むと思えないほど小さく、軍が兵士の命を軽視する戦争の恐ろしさを感じた。

「SR-71ブラックバード」上中
ロッキード社が製作したアメリカ空軍のステルス偵察機。超音速で飛行し、機内には大きな圧力がかかるため、搭乗員は圧力管理服を着る。上空では機体が10cm伸びるので地上では隙間がある。さらに、32機のうち12機が事故で失われるなど事故率は高く危険を伴う飛行だった。ただ、上空2万5000mからゴルフボールの種類が判別できるほど高性能のカメラを搭載するなど、偵察機としては高い性能を持っていた。

「紫電改」上右
ゼロ戦に防御面で改良を施した。第二次世界大戦末期の日本の戦闘機。

この他にも超音速旅客機コンコルドなどが展示されている。

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グラウンド・ゼロ・ミュージアム

2001年9月11日の同時多発テロで崩壊した世界貿易センタービルツインタワー跡地にある。館内にはタワーにあった鉄柱、階段や、出動していた消防車が展示されているが、どれも熱でねじ曲がったり形が大きく変わっていたりした。飛行機が激突した衝撃が凄まじいものだったことがわかった。また、ハイジャックされた飛行機から乗客が残したメッセージからは、機内の緊迫した様子や乗客の焦りが伝わってきた。多くの人々を無差別に巻き込むテロの恐ろしさを感じた。

国際連合本部

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1945年10月24日に設立。建物は1945年から1952年にかけて建てられた。1961年には図書館が完成した。ビルはニューヨーク市内にあるが、アメリカの警察は事務総長の同意無しに立ち入れない。これは、アメリカでなく国連が敷地を所有しているため。本部ビル内のツアーでは会議中でなければ会議室を見学できる。ただ、ガイドの方の説明はすべて英語なので内容を理解するのが大変だった。

「安全保障会議」
15の理事国から構成される。うち5カ国は常任理事国(アメリカ、イギリス、中国、フランス、ロシア)で、その他10カ国は世界の各地域から選ばれる。それらが非常任理事国であり、日本、スペイン、ウクライナなどがある。常任理事国は拒否権を持ち1カ国でも行使すれば安保理の決定は成立しない。そのため、冷戦時代は米ソの間で意見が対立し、安保理の役割を十分に果たせなかった。

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「国連総会」
ニュースでもよく目にする、国連に加盟している193カ国による会議。193カ国全ての国が平等の権利を持つ。多くの議題は半数以上の賛成で可決される。ただし、予算の決定、新加盟国の承認などの重要な案件は3分の2以上の賛成が必要である。席順はアルファベット順だが、先頭の国が変わらないと不公平であるため、毎年くじで先頭の国を決める。バチカン市国、パレスチナは傍聴はできるが、会議に参加することはできない。

世界平和へ向けての国連の活動

PKO(国連平和維持活動)では戦闘の停止だけでなくその後のサポートも大きな役割である。派遣される部隊は国連平和維持軍だが、軍としての活動だけでないことがわかった。しかし、今でも飢餓や貧困など多くの問題が残っていることも知った。国連の軍事予算が実際に使われる金額に程遠い数字で驚いた。それだけのお金を使ってもまだまだ平和とは呼べる状態でない現実をしっかり受け止める必要があると思った。

まとめ

今回1週間アメリカにいる間、現地の方と会話する機会が多くありました。その際に、単語や文法だけでなくジェスチャーや指差しを交えることで、よりスムーズに自分の伝えたいことを伝えることができました。自分の英語が伝わったときは嬉しかったです。しかし、相手が話すときは、なかなかスピードに追いつけなかったり、単語の意味を考えるうちに話が進んでしまったりしたので、今後はリスニングも練習する必要があると実感しました。また、アメリカがテロを警戒していると感じることが何度もありました。博物館でも金属探知機や手荷物検査があり、トランプタワーの前では銃を持った警察官が警備していました。さらに「お金をくれ」といった声かけが何度かありました。実際にお金を渡す人も多く、見知らぬ人にもお金を渡すということに驚きました。
この海外研修で一番良かったことは本物を見ることができたことです。博物館で展示されているものの質感、迫力は写真だけではわからないものだと思います。特にエノラ・ゲイや桜花、零戦などの戦闘機は自分の目で見ることでより深く戦争についてイメージできました。
このように様々なことを経験できたこの一週間は、僕にとってかけがえのないものになりました。財団の方々、研修をサポートしてくださった方々、本当にありがとうございました。