US2013報告集10

  第1回海外学習の個人レポート 2年 S.K さん

 参加者から提出された報告レポートです。個人名や写真の表現・配置等にオリジナルとは異なる点はご容赦ください。皆さんのレポートは下の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
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 海外学習助成事業を終えて

 僕は今回この事業に参加して、多くのことを学ぶことができました。
 以前から僕は日本と海外の文化や人種、考え方などの違いを勉強したいと思っていました。高一のときに初めての海外旅行で行ったベトナムでは、日本に近い生活区域にしか行けず、また、ベトナムの人たちは日本語もある程度話せたので、あまり海外に行ったという感覚が持てませんでした。しかし、アメリカならそういったこともなく多くのことを学ぶことができると思い、アメリカ行きが決まった時からとても楽しみにしていました。初めてのメンバー顔合わせのときは知らない人ばかりで戸惑いもありましたが、皆もそうだったと思うし、話していくうちにどんどん打ち解けることができたので、会議があるたびに仲良くなれていく気がして楽しかったです。
 いよいよ旅行が始まり空港での出発式の時、日比野教頭や熊澤さん、池田理事長などがどんな思いでこの事業に取り組んでいたのかを知り、何も得るものがない状態で帰ってくることが決してないようにしようと強く思いました。また家族や、今回参加出来なかった人たちのためにも、この事業を無駄なものではなかったのだということを、成長して帰ってくることで見せることができるように多くのことを学んでこようと思いました。
 一日目はほとんどどこにも行きませんでしたが、シーフードレストランではアメリカザリガニなど日本ではなかなか食べられないようなものがたくさん置いてあり、海外に来たのだという気持ちをそこで初めて感じました。


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 時差が13時間近くありワシントンに着いたのは日本時間の朝4時~5時頃だったのですが、目に入るもの全てが新鮮で面白く、あまり眠いとは思いませんでした。
 二日目はバスで様々な場所を見学しました。前からリンカーン記念館を見たいと思っていたので、実際にとても大きいリンカーン像や有名な「GOVERNMENT OF THE PEOPLE BY THE PEOPLE FOR THE PEOPLE」という演説文を見ることができて、リンカーンの偉大さを改めて感じることができました。


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 他にもホワイトハウスや国会議事堂、ウドバー・ハジー・センターのエノラ・ゲイを見ることができてとても充実した一日になりました。


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 左の写真が国会議事堂で、国旗が上がっている時は議会が行われているらしいのでこの時も議会が行われていたそうです。右の写真がホワイトハウスで、周りには鉄柵がありこれ以上近づけないようになっています。柵の周りには警察が何人もいて、常に目を光らせています。以前、民間の飛行機が敷地内の木に誤って墜落してしまった時は大騒ぎになったそうです。
 アーリントン国立墓地ではケネディ大統領や軍人の人たちのお墓を見ることができ、色々と考えることがあった場所でした。あまりにもたくさんのお墓を目の当たりにし、どうして人は平和に暮らせないのかととても辛かったです。

 墓標は宗教も分かるようになっていて、写真の手前の十字架がキリスト教、その隣の星の形がユダヤ教の印です。


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 アーリントン国立墓地にはジョン・F・ケネディ大統領のお墓もあり、一緒に妻や子供、弟のロバート・ケネディもアーリントン国立墓地に眠っています。


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 左がジョン・F・ケネディと妻子、右がロバート・ケネディのお墓です。
また、道路にリスがいたり、マクドナルドでの日本にはないボリュームのアンガスバーガーを食べたりして、環境や食生活の違いを強く感じました。夜にはホテルで生徒たち全員によるミーティングを行い、お互いの距離をぐっと近づけることができました。よしこさんの説明も面白く聞くことができました。
 三日目は一日中歩き回り、一番疲れた日でした。スミソニアン博物館では国立航空宇宙博物館や国立自然史博物館、ナショナルギャラリーを見て回り、日本の歴史だけでなく海外の歴史に目を向けることの楽しさを感じました。航空宇宙博物館にはライト兄弟が世界で初めて長距離飛行に成功したライト・フライヤー号や、日本の零戦などがあり、飛行機に興味がなくても十分楽しめるような場所でした。また、ここは映画「ナイトミュージアム」の舞台にもなっていて、映画を見てから行くとより楽しめると思います。


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 国立自然史博物館には世界最古の化石や呪いの宝石「ホープ・ダイアモンド」、マリー・アントワネットが身に着けていたイヤリングなどが展示されていました。


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 他にもリンカーンが暗殺されたフォード劇場やFBIの本部、ユニオン駅などにも行くことができたので、歴史を多く感じた一日になりました。FBIの本部はワシントンで一番汚い建物と言われているそうです。汚れているからではなく、コンクリートがむき出しのために「汚い」という表現をされています。ワシントンの建物はコンクリートの上にレンガなどを貼り付けて綺麗にしてあるため、コンクリートがむき出しの建物はほとんどないそうです。


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 日本でもこれだけ歴史と触れ合う時間はなかなかないので、珍しい体験だったと思いました。
 四日目はワシントンからニューヨークへと飛行機で移動しました。飛行機が飛ぶ際に前からずっと見たかったペンタゴンを見ようと思ったのですが、反対側の窓からしか見ることができずペンタゴンを見ることができなかったので、それはとても心残りになってしまいました。その後バスでグラウンド・ゼロの跡地へ行きました。今はもうそこには新しいビルを建設中で、そのビルは建設中なのにエンパイアステートビルより高い建物で圧巻の大きさでした。しかしあの悲惨な事件は決して記憶から消してはいけないと思いました。新しいビルを一番高くしたのも、ビルを見て人々の記憶から事件のことが忘れ去られないようにするためなのではないかと思います。
 そのあとは船に乗り、自由の女神を眺めました。有名な自由の女神を見ることができたのはとても嬉しくて、まさにアメリカのシンボルの名にふさわしいと思えるような圧倒的存在感でした。それまではニュースやテレビなどでしか見たことがなくて本物を見る機会があるとは思ってもいなかったので、本当にこの事業に参加できて良かったと思いました。


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 夜にはタイムズ・スクエアに行き、そのあとに「ウィキッド」を見ました。英語だったために内容はあまり理解することができませんでしたが、ミュージカルの雰囲気や大まかなストーリーは感じることができたし、何といってもあまりの歌唱力に何度も圧倒されました。歌詞が英語でもその力強さや感情表現を十分に感じることができ、日本でもこんなすごいミュージカルを見られるのだろうかとミュージカルに興味を持ちました。しかしやはり英語を聞き取れたらもっと楽しめたのにという後悔をすごく強く感じました。


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 五日目もまた一日中歩き回ってとても疲れました。メトロポリタン美術館やアメリカ自然史博物館、セントパトリック大聖堂やロックフェラーセンターなど見どころがたくさんありました。メトロポリタン美術館では教科書にも載っているような絵がいくつもあり、見ていてとても楽しい場所でした。


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 アメリカ自然史博物館も「ナイトミュージアム」の舞台になっていて、モアイ像やティラノサウルスの化石などがありました。他にも様々な動物のはく製や化石があり、月に行った時の自分の体重が分かる体重計もあったので、化石などに興味がない人でも楽しめるような空間でした。


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 セントパトリック大聖堂が改修中だったのは残念でしたが、それを補って余りあるほどにたくさんの素晴らしいものを見ることができました。聖堂の中もたくさんの信者の人たちがいて、とても荘厳でした。
 そしてやはりロックフェラーセンターから見た夜景はまさに絶景でした。ニューヨークの夜景が綺麗なのは有名ですが、実際に見てみると想像を絶するほどの美しさで、思わず声を失ってしまいました。


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 六日目にはとうとう帰る日がやってきてしまい、名残惜しい気持ちでいっぱいでした。まだまだ見たいものがたくさんあるのに、という気持ちがとても強くてこれほど一週間を短く感じたことはありませんでした。自分でも驚くほどにアメリカにいた時間を懐かしく思い、アメリカに行く前は考えもしなかったほどにこの一週間を楽しむことができました。
 七日目に日本に着いたときは、暖かく迎えてくれた日比野教頭や池田理事長、そして家族に対して、自分たちは本当に多くの人たちに支えられてこの事業に参加したのだという感謝の気持ちが溢れてきました。
 そして今回の事業に参加して多くのことを学ぶことができました。アメリカに行く前には全く知らなかった日本との違いがたくさんあり、行く場所、見るものの全てが勉強になりました。食事や地下鉄、歩いているときにさえ日本とは違った点が多くあり、自分の世界の狭さをすごく恥じました。同時に普段勉強していた英語がこれほどまでに通じず、聞き取ることができないのかとショックを受け、これからの英語の授業の態度を大幅に見直すべきだということを痛感しました。特にミュージカルを見たときにリスニング能力の無さがとても悲しくなり、あまりやってこなかった分しっかりとリスニングをやらなければと強く感じました。また当然ながら文語英語も鍛えなければならないと思い、英語の小説を課題として自分に買い、単語を一つ一つ丁寧に調べながらセンター試験までに読み切ろうと思います。今回の渡米で多くのことを思い、恥じ、感じ、そして学ぶことができました。これからはもっと視野を広げ、日本国内にとどまらず世界に目を向けていこうと思いました。
 今回のこの事業は多くの方々の思いがこもったものであり、さまざまな人たちの支えによって成功させることができたと思います。熊澤さんをはじめ、池田理事長、財団の方々、日比野教頭、鶴田先生、有馬さん、加藤さん、よしこさん、ナカザワさん、そしてそれぞれの保護者の方々。本当に多くの力によって支えられたこの事業の記念すべき第一号になれたことを誇りに思います。この事業がまた来年からも、そしてその先もずっと続いていくことができるようになることを願います。他の学校にはなかなかないこの取り組みが多くの生徒を強く、大きく成長させることができるようになればいいなと心から思いました。自分が大きく成長することができたように、これからもこの事業が生徒たちの未来を切り開くきっかけになってほしいです。