US2013報告集4

  第1回海外学習の個人レポート US2013 2年 I.R さん 

参加者から提出された報告レポートです。個人名や写真の表現・配置等にオリジナルとは異なる点はご容赦ください。皆さんのレポートは下の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
1年 S.Mさん  I.Eさん  K.Kさん  F.Mさん  T.Sさん  S.Rさん    ホームへ 
2年 I.Kさん   I.Rさん    K.Mさん  S.Kさん  N.Sさん  N.Hさん

 レポート

私は今回、一般財団法人第一回海外学習助成事業でアメリカに行き、たくさんのことを学びました。まずはじめに感じたことは、世界は広いということです。今まで日本から一度も出たことがなく、外国人と接する機会あるとすれば、日本に訪れた外国人やAETの先生、テレビでしかなかった私が、生まれて初めて海外に行き、アメリカで様々な人種の人に出会い、言葉を交わし、同じ場所に立っているということに感動を抑えきれませんでした。そして、異国の地では自分はちっぽけな存在でしかないことに気付かされました。

IR_01.jpg
次に感じたことは文化の違いです。今まで当たり前と思っていたことが異国ではそうではないことが山ほどあり、それを知るたびに驚かされました。例えば道を譲ってもらう時、日本では「お辞儀」や「会釈」という言葉を交わさない挨拶の仕方があります。しかし、アメリカでは「Excuse me.」や「Sorry.」などと必ず声に出して表現していました。このことから、アメリカではただ頭を下げただけでは気持ちは伝わらないということに気付いたと同時に、日本では目配りや会釈でぼんやりと感謝の気持ちを伝えるのに、アメリカでは相手に対して思いをはっきりと言葉にして口に出して伝えるという文化の違いがあるとわかりました。
また、アメリカでは、ベッドメイキングをしてもらったり、ポーターに荷物を運んでもらったり、ウェイトレスに食事の手配をしてもらうことなど様々なことにチップが発生します。日本ではサービスとして無償でやってもらうことにありがとうと気持ちを示すのに対して、アメリカは感謝の気持ちを形にして表現するのです。

今回の事業でアメリカを選んでいただいた中で、特にワシントンD.C.とニューヨークを選んでくださった財団の方々に感謝してもしきれません。ワシントンではリンカーン記念館やスミソニアン博物館、航空宇宙博物館などを、ニューヨークでは国立自然史博物館や自由の女神などと書ききれないほどたくさんの場所を訪れた中で、私が一番印象に残っている所はメトロポリタン博物館とタイムズスクエアです。アメリカで訪れたどの博物館、美術館もとてもすばらしかったのですが、特にメトロポリタン博物館は衝撃的でした。

まず驚いたことは、外装の大きさです。ニューヨーク最大の公園であるセントラルパークを通りながら美術館の周りを歩いた時、あまりに広くてなかなか一周を周りきりませんでした。次に美術品の数です。300万点という膨大な展示品の数は、一日では到底見つくすことができないほどでした。その上、英語を話すことに慣れない私たちにとっては、迷路に中に迷い込んだような感覚でした。私が、ここに来たら必ず見てみたいと思っていた古代エジプトは、テレビでしか見たことがなかったので、見たものすべてがすばらしく神秘的で胸が高鳴りました。大昔にどうして人間はあんな技術を持っていたのだろうと不思議で仕方ありませんでした。他にも、「考える人」やゴッホの自画像など教科書にも載っているほどの有名な作品からこの場でしか見ることができない稀少な作品まで数々の展示品に圧倒されました。最後に生で見ることのよさにも驚きがありました。例えば、「考える人」は想像していたものよりはるかに小さかったことや、ゴッホの肖像画の裏側にはもう一つの絵が描かれていたことです。他にも実物を見るとたくさんの発見があり、たくさんのすばらしさを知ることができました。

IR_02.jpg

タイムズスクエアは私にとって「アメリカ」というと頭に思い浮かべる場所でした。テレビや映画では何度も見たことがあり、情景は頭に描かれていましたが、実際その地に行くと想像をはるかに超えた活気のすごさと電飾の美しさで、興奮して気が付いたら鳥肌が立っていました。アメリカに来れてほんとによかったと思いました。ニューヨークはアメリカの中でも経済の中心であり社会の中心の州だと改めて思いました。この後行ったブロードウェイミュージカルの「WICKED」は、にぎやかで歓声で満ち溢れていて、一生の間に絶対にする価値がある経験することができました。もしまた行く機会があったら。次はもっと英語も劇の内容もしっかりと勉強してから臨みたいと思いました。

二つの州を訪れて思ったことは同じ国の中でも州によって様子が全然違っていたことです。ワシントンには国会議事堂より高い建物を建ててはいけないという決まりがあり、どの建造物も天井が低くビルは全く建っていませんでした。一方、ニューヨークには次々とビルが建設されていて、町のいたるところにビルが立ち並んでいました。9.11の舞台「グラウンドゼロ」も新たにビルが建て直されている途中でした。ワシントンは平和で白と緑の豊かなイメージ、ニューヨークは人がうごめき原色で活気づけられたイメージを感じました。二つの州を比べることによって知ることができた発見だったので、どちらも行くことができて本当に良かったです。

次に思ったことは自分の将来についてです。私の将来の夢は旅行会社に勤めることです。この事業に応募する前からずっと高校生のうちに一度海外を経験してみたいと思い続け、幸運にもその願いを実現させていただくことができました。アメリカに行き、添乗員の有馬さんと一緒に行動して、この仕事がいかに大変でやりがいのある仕事かを直に知ることができました。どんな状況でも冷静に判断し、充実した旅行を提供してくれる有馬さんの姿を見て、より一層この仕事に就きたいと思うことができました。これからはこの経験を活かして英語を中心に勉強に勤しみ、大学に入学して留学をして語学や異文化を学び、将来の夢に近づいていきたいです。

IR_03.jpg

この旅行を通して実感したことは、日本人でよかったということです。アメリカに行く前はアメリカのビッグサイズな食べ物や甘い食べ物を惜しみなく食べたいと思っていましたが、七日間滞在し日本に帰る頃には日本食が恋しくなっていました。日本に帰ってきてうどんや煮物を食べた時、自分がいかにいつもおいしいものを食べさせてもらっているかを身にしみて感じました。やっぱり日本の食べ物はどこの国よりもおいしく、健康的で、日本人に合っていると思いました。そして、母が作ってくれる毎日のご飯は本当にありがたいものだと改めて感じました。

そして何より、今回こうしてアメリカに行けたことはたくさんの人たちのおかげだということです。事業が始まった時から熊澤さんをはじめ財団の方々や先生方、旅行会社の方々、両親にたくさん助けられました。現地でも、有馬さんや現地リポーターの方々、鶴田先生、共に学んだ12人の仲間たちにたくさんお世話になりました。こうして親なしで慣れない場所に行き、自分のことは自分で行い、時間やルールを守って団体行動をする経験を初めての海外旅行でできた私は本当に幸せ者だと思いました。一週間という短い旅でしたが、一生に一度の忘れることのできない経験になったと思います。これを機に瑞陵生の一員として社会の役に立ち、またこの伝統をつないでいきたいと思います。

center