一般財団法人 瑞陵高校助成基金は、瑞陵生の学びを深めるための支援を行っています。

ITF2014報告集14

設立一周年記念海外学習事業の報告集  3年K.Nさんのレポート

 参加者から提出された報告レポートをWeb用に編集しました。皆さんのレポートは下記の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
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イタリア・フランス12日間の研修を終えて

 私が研修に参加した目的はこの研修で外国の文化、歴史を学びどのような点で日本と違いがあるのかを考えたい。また食生活やマナーなど行かなくてはわからないようなことを知りたかったからです。

 ここでは7月31日に訪れた場所を教会・美術館を紹介したいと思います。

サンピエトロ大聖堂

 

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 サンピエトロ大聖堂はイタリア、バチカン市国にありサンピエトロとは聖ペテロを表す言葉でキリスト教の教会建築では世界最大といわれています。大聖堂の前のサンピエトロ広場はとても大きくミサになると30万人ほどがそこに並ぶそうです。そしてそれを取り囲むようにしてカトリック聖人達の立像が並んでいる様子はまさに圧巻でした。中央にはカリギュラ帝がエジプトから持ち帰ったオベリスクが立っています

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 バチカン美術館からの抜け道を通ると右手に大聖堂 の入り口が見えてきます。入口の扉は5つあり「死の扉」「善と悪の扉」「中央扉」「秘蹟の扉」「聖年の扉」と呼ばれています。なかでも「青年の扉」は25年に一度だけ開く扉で次に開くのは2025年だそうです。開かれるときまでは内側からコンクリートで塗り固めてあり間違って開けることがないようにしてあります。扉には聖書の物語が描かれており、有名なキリストの処刑の絵も描かれています。

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 教会は真上から見ると十字架の形をしていて十字のちょうど交差点に美しい天蓋に囲われた祭壇があります。ここの真下に聖ペテロの墓地があるといわれています。
 教会内は彫刻やだまし絵やレリーフで埋め尽くされていてとても豪華でアーチの柱の内側の装飾や天井に描かれた絵画はずっと見ていても飽きないほどきれいでした。中でも私が感動したのはこの天井です。真ん中の吹き抜けから入る日光の加減でぼんやりと青く光っていてとても神秘的でした。

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 そして十字の右手にはミケランジェロ作のピエタ像が置いてありました。ピエタとは慈愛という意味でこの彫刻は聖母マリアがイエスキリストを張り付けの十字架からおろし、抱きかかえている様子を表現しています。肌の質感や、人の表情、きている衣服のひだまでとても大理石からできているとは思えないほど精巧に作られていてまるで本当にその場面を見ているかのようでした。

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 このほかにも教会内には歴代教皇のミイラもきれいに保存されていました。
 この教会には11の礼拝堂と45の祭壇があり祭壇の上には祭壇画というものが飾られています。ラファエロの遺作も残されており「キリストの変容」というそうです。上部はキリストが天から声を聞き自分は神であることを示していて下部は少年に取りついた悪魔をキリストが治癒している場面です。宗教画では中心的な人物がいちまいの絵の中に何度も登場することが多く今でいうマンガのようになっていて字が読めない人にも分かりやすいように書かれているそうです。

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 大聖堂の周りを警備しているのはスイス憲兵です。バチカンではかつて法皇を夕刊に守ったスイス人を憲兵に使うことが習慣になっているそうです。ガイドさんに聞いた所実際に憲兵になるためには「身長180cm以上なければならない」とか「鼻が高くなければならない」など見た目の面で厳しい条件が付いているようです。実際にうろうろして警備をしているわけではなくじっとしているので最初は人形なのかと思ってしまったほどでした。

バチカン美術館
 バチカン美術館はサンピエトロ大聖堂に隣接するバチカン宮殿の大部分を占める巨大な美術館です。

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 ピーニャの中庭には中央には1190年にバチカン美術館のためにイタリア人のアルナルド・ポモドーロが作った「球のある球体」があります。これは球体のオブジェの中にもう一つ球体が入っているもので常に回転していて隙間から中が見えるようになっているものでした。端にはピーニャ(松ぼっくり)の噴水があります。この松ぼっくりは1~2世紀のローマ時代に作られたものです。そして同じ中庭内には首のない銅像が飾ってありました。ここだけに限らず体の一部が欠けた像が飾られているところが多く、長い歴史を感じました。

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 美術館内は彫刻に模した、だまし絵が数多く描かれており光の当たる角度や影なども計算されて描かれていると聞きはじめは彫刻だと思っていたのでとても驚きました。そのほかにもビロードの布に絵画のような絵がおられているものがずらっと並んでいる廊下がありました。その中で印象的だったのがキリストの復活を表した布でした。それは「どの方向から見てもイエスキリストと目が合う」というもので織物で作るのはとても難しいそうです。

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システィーナ礼拝堂

 システィーナ礼拝堂はサンピエトロ大聖堂の北隣に位置しておりミケランジェロやボッティチェリなど盛期ルネサンスを代表する芸術家たちが描いた装飾絵画作品が多くあることで有名です。ここでは残念ながら写真撮影は不可でしたが、主祭壇の上にあるミケランジェロ作の「最後の審判」やとても大きな天井画などを見る事ができました。そして壁にもさまざまな芸術家たちが描いたフレスコ画が描かれていました。

 

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 天井画はフレスコ画で大きく分けて9枚の場面からなる3つの話になっていました。神がアダムとイブを生み出す場面から始まり、アダムとイブがエデンの園から追放される失楽園、大洪水とノアの一族の話へと続きます。
 この9つの絵は後半のノアの一族の話から書き始めたそうですがはじめの絵を細かく書きすぎたためだんだんと絵の中の人物などが大きくなっていました。ノアの箱舟に鳩がオリーブの枝を咥えて戻ってきている場面も細かく書かれていましたが、当時は今のように電気の明かりではなくろうそくの身だったためそのような細かい描写はほとんど見えなかったようです。

 左は最初から8番目の絵「大洪水」で右は最初から4番目の絵「アダムの創造」です。こうしてみると人物の大きさや細かさがまったく違います。そしてその絵を囲むように12人の『預言者』たちが描かれているのですがその『預言者』たちが座っている台座などが彫刻のように立体的にだまし絵で描かれていて見れば見るほど本当に石を削って作っているかのようでとても感動しました。
 そしてシスティーナ礼拝堂とは次代のローマ教皇の選出するコンクラーヴェが開催される場所でもあります。投票によって新たなローマ教皇が選出された場合には礼拝堂の窓の一角から白い煙が、決まらなかった場合には黒い煙が立ち上り市民が選出結果を知ることができるようになっています。

カンツォーネディナー
 この日の夕食は食事とともにカンツォーネを聞くことができるレストランへ行きました。カンツォーネとはイタリア語で歌を表す言葉で日本でいうと演歌のようなものです。そのレストランで知ったのですがイタリアで大事なのは「カンターレ(歌う事)」「マンジャーレ(食べること)」「アモーレ(愛すること)」なんだそうです。その証拠にイタリアでは出てくる料理の量が日本に比べると多く感じました。
 日本人は食事中に喋るということはマナー違反だと考えていますがイタリアでは食事の場というのは食事はもちろん同じテーブルに座っている人との会話を楽しむ場だそうです。いろんな人としゃべりながら食事をするため普通の日だったとしても7時から10時くらいまで夜ごはんを食べていると聞いてとても驚きました。

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 このレストランでは前菜、パスタ、肉料理、デザートが出され、その合間にカンツォーネの演奏があるというものでした。演奏といってもステージで歌うだけではなくお客さんをステージ上に呼んで一緒に歌ったり、テーブルの近くまで歌いながら歩いてきたりとあまり堅苦しい感じではなくフニクリフニクラ、帰れソレントへ、カルメンのハバネロなど知っている曲も何曲かあったのでとても楽しかったです。
 料理は牛肉のサラダ・サーモンクリームソースのパスタ鶏肉のバターソテー・ティラミスと思っていたよりもシンプルな味付けのものが多かったです。
 日本ではパスタというと細長い丸のパスタや平打ち麺くらいしかなじみがありませんでしたがイタリアではその時の場面やソースによって麺の形状をさまざまにかえているように感じました。今回はファルファッレという蝶々を意味する形のパスタでしたが違う店ではペンネという鉛筆形のパスタを食べました。売店などにはほかにもいろいろな形のパスタがあったので、次イタリアに行った時はもっといろんな種類を食べてみたいと思います。

まとめ

 この研修では見たこともないものや体験したこともないことがたくさんあり、とても刺激的な12日間を過ごすことができました。一番感じたことは自分で体験することが何よりも大事だという事です。この研修のためにいろんな資料を見て勉強はしてきましたが、やっぱり実物を見て、体験したり、現地の人に話を聞いたりしないとわからないことがたくさんありました。そして何より教会の神秘的な美しさや、塔の上から見る景色などは写真では伝わらないものがあったと思います。こんなに素敵な研修を企画・援助してくださった熊沢さんや助成基金理事の皆様、そして引率してくださった先生方や保護者の皆様に心より感謝したいと思います。