一般財団法人 瑞陵高校助成基金は、瑞陵生の学びを深めるための支援を行っています。

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第7回海外学習助成事業の報告集 2年THK さんのレポート

 参加者から提出された報告レポートです。個人名や写真の表現・配置等にオリジナルとは異なる点はご容赦ください。皆さんのレポートは下の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
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スミソニアン博物館群とメトロポリタン美術館見学の旅8日間



 この度は「スミソニアン博物館群とメトロポリタン美術館見学の旅」に参加させていただきまして、ありがとうございました。応募した理由は、リトアニアから僕のクラスに来てくれたLija(リア)さんとの出会いを通して、英語を用いてたくさんの人とコミュニケーションをとりたい、それに伴ってもっと国際的な視点を持ちたいと考えるようになったからです。そのため、アメリカでは積極的に人と話して、多くのことを吸収しようという目標がありました。
 1日目の夜。さっそく2度も自身の英語を試す時が来ました。
 1度目は、モーニングコールをお願いするとき。僕にとって、顔も名前も知らない外国人との会話は初めてでした。勇気を出して部屋の受話器を取り…無事完了! 話した内容は一字一句覚えていますし、あの時に感じた不安と緊張も決して忘れることがないと思います。ルームメイトには英語の発音が上手かったと褒めてもらえて、安堵と喜びが混じりあった幸せな感覚になったことを覚えています。

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 2度目は、ホテルの売店で買い物をしたとき。アメリカはメキシコが近くにあることもあり、フルーツが安くておいしいという情報を耳にしていたので、トライしてみました。お値段は水と合わせて8ドルでした。日本円で1,000円近い計算。正直高かったです。部屋に戻ってからフォークをもらい忘れたことに気づくという、甘酸っぱい失敗もしました。フルーツの味については、全く甘酸っぱいということはなく。特にイチゴはほぼ無味でした。大失敗。これもいい経験ですよね。
 国際的な視点を持つという観点から、僕は日本との違いに注目しながら研修に参加していました。まず気が付いたのは、電柱や歩道橋がどこにもないということ。ワシントンやニューヨークは観光地ですので、日本でいう京都と同じように景観を大切にしていることが推測できます。

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 また、ファッションについてではUSAという文字のロゴや星条旗が入った服を着ている人、もしくはパーカーやキャップで頭を隠している人が多く見られました。これは愛国心の現れや最近の流行と捉えることが出来ますが、その愛国心がどのような部分から生まれてくるのか。興味をもちました。分かりにくいですが、右の写真の出店ではUSAと書かれたTシャツが大量に売られています。
 日が経つにつれ、徐々に英語での生活に慣れてきました。「thank you」「sorry」「excuse me」この3単語と軽いジェスチャーでほとんどの会話を成立させることができるくらいには。悪い方向に慣れてしまっていると気づいたとき、危機感を覚えました。

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 何のためにこの研修に参加したのか、ということを見つめなおしてから、アメリカで過ごす時間の密度がグッと濃くなったように思います。例えば、メトロポリタン美術館での研修。腹が減っては戦ができぬ。研修の前に、僕たちは美術館前の屋台でホットドッグを食べました。ただ注文をするだけであったならば、今まででも何ら問題なくこなせていました。しかし、今まででは「トッピングをどうしようか」というように、店員さんとの会話を楽しむことはできませんでした。小さいかもしれませんが、自身の成長を実感できました。さて、美術館に入っても、僕たちは貪欲に吸収することができました。武器・甲冑のブースを重点的に見学し、当時実際に使用されていた装備の数々に、僕たちは時間を忘れて見入ってしまいました。ただ見るだけでなく、こんなにも重厚な甲冑なのにどうやって剣で斬り倒すんだろう、この武器はどう使うんだろう、と話し合うことができました。特に、15~17世紀にインドで使われたElephant Sword その名の示す通り、象の牙に上からかぶせて使う武器には心惹かれました。
 武器・甲冑に夢中だった僕たちはすべてを回ることができず、19,20世紀の美術をパスすることになってしまいました。残念に思いつつも集合場所に戻ると、ガイドの織田さんはこうおっしゃいました。「まだ時間があるからゴッホの絵を見に行こう」このゴッホの絵はあるのは僕たちがパスせざるを得なくなってしまったエリア。とんでもない偶然でした。そこで出会ったのはゴッホの自画像だけではなく、ロダンの『考える人』まで! 紛れもない本物が目の前にあるという事実と、この幸運がなければ見逃してしまっていたという2つの事実に激しく心が揺さぶられました。美術品を見てあんなにも興奮したのは初めてだったかもしれません。作品自体の魅力も素晴らしかったです。油の盛り上がりは絵ではなくもはや立体作品のようで、ゴッホの目にはこちらを睨みつけているような強い光が宿っていました。考える人はそのポーズからは想像もできないほどの動的なエネルギーを感じ、明らかに他の彫刻作品とは違うオーラを放っていました。これらを見ることができたことは一生の財産です。

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 アメリカでは、とにかくチャレンジの連続でした。会話から、シャワーを浴びることまで。数えきれないほど多かったです。だからこそ、多くの失敗を経験しました。英語がうまく聞き取れずにコミュニケーションがとれなかったり、地下鉄の改札が中々通れず後ろの人を詰まらせてしまったり。とても迷惑だったと思いますが、アメリカ人の皆さんは僕が失敗をしても咎めてくることがありませんでした。ありがたかったです。そのお陰で、失敗を恐れず様々なことにチャレンジできました。その失敗の一つ一つが、挑戦の一つ一つが、確実に僕を成長させてくれました。最終日には、口から自然と英語が飛び出るようになったほど。自然史博物館でアクセサリーを買ったとき、「これ今着けていい?」と聞きました。そんなフランクな会話ができるようになったのも、チャレンジを続けた成果だと断言できます。すべては挑戦あってこそ、このことを今回の研修で学びました。瑞陵生には常に貪欲であり、失敗を恐れず挑戦してほしいと思います。そうでないと、前述したようにぬるま湯に浸かってしまうことになりかねないから。
最後になりましたが、素晴らしいチャレンジの機会を与えてくださった財団様。また、添乗員の牧瀬さんや同行してくださった渡邉先生。そして、今回の旅を快く了解してくれた家族。たくさんの人のサポートがなければ、このような一生心に残る経験はできませんでした。

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ありがとうございました。