一般財団法人 瑞陵高校助成基金は、瑞陵生の学びを深めるための支援を行っています。

IT2016報告集_個人4

第4回海外学習助成事業の報告集 2年 ASM さんのレポート

 参加者から提出された報告レポートです。個人名や写真の表現・配置等にオリジナルとは異なる点はご容赦ください。皆さんのレポートは下の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
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イタリア3都市(Milano, Firenze, Roma)を巡る6泊8日の旅

3月20日(日)

  8:30   結団式
 10:30  中部国際空港発
 (ここからイタリア時間)
 15:10 フランクフルト空港到着
 ※ ソーセージだけを売っているお店も並んでいて、さすがドイツ…!と言う感じでした。個人的に、ごみ箱がスタイリッシュだったのが印象的です。

トイレットペーパー

 18:10   ミラノ到着
 ※ 空港ではお手洗いによったのですが、トイレットペーパーを備え付けるところが日本とは違っていて、写真のように大きいロールになっていました。また、フランクフルト空港のお手洗いにはペーパータオルがあったのですが、日本のようにただ引っ張るのではなく使い方が複雑で難しかったです。
 20:00  夕食
  ・サラダ
  ・舌鮃のムニエル
  ・ジェラート
 ※ サラダがボウルに入って出てきたのには驚きました。味付けはされておらず、自分でオリーブオイルと塩をかけ味付けしなければならなかったので、とても困りました。

ドゥオモのすり減った床

3月21日(月) ミラノ見学

  7:00  朝食
 ※ ホテルのバイキングにオレンジジュースは定番かもしれませんが、このホテルには、なんとオレンジ搾り機があって、自分でオレンジジュースを作ることができました。市販のものとは全く違い、まるでオレンジをそのまま飲んでいるようでした。これも、オレンジ大国イタリアならではだと思います。

  9:00  スフォルツァ城
 ※ 至る所に古代からの戦いの知恵が隠れていて、驚きと感嘆ばかりでした。しかし、戦いのためだけではなく、貴族が楽しむための工夫もちゃんとあって面白かったです。
 10:00  ガッレリア
 10:30  ドゥオモ
 ※ ミラノのドゥオモは今回の研修の中で一位ニ位を争う荘厳さでした。外見のレリーフの細やかさ、音の響き方、中の雰囲気、地下の礼拝堂、どの部分をとってもその堂々とした教会としての威厳が感じられたように思います。次行くときは屋根に登って、尖塔を間近で見たいです。
 12:00 昼食
  ・リゾット
  ・ミラノ風カツレツ
  ・フルーツサラダ
 13:00 ~ フィレンツェへ移動
 17:00 ミケランジェロ広場
 18:00 ホテル到着
 19:00 夕食
  ・トマトのパスタ
  ・チキン煮込み
  ・ジェラート
 ※ トマトのパスタは本当にトマトとパスタだけなのになぜかおいしくて、もう一皿食べられそうでした。日本では絶対出会えない味でした。

3月22日(火)

  7:30 朝食
  9:30 ウフィツィ美術館
 ※ 入ってまず驚いたことは天井画の細かさです。天井だけでなく、壁や廊下にもびっしりと絵が描かれていて360°美術品でした。ガイドさんもおっしゃっていたようにどの絵もルネサンスの特徴が色濃く出ているのがはっきりと見て取れました。特にボッティチェリの『春』は想像していたよりもオーラが感じられ、感動しました。間近で見ると下に咲いている花の一本一本がよく分かり、『ヴィーナスの誕生』と共にボッティチェリの凄さを目の当たりにしました。
 12:30 昼食
  ・ピザ
 13:30  アカデミア美術館
 16:00  ドゥオモのクーポラに登る

クーポラの上からの景色

 ※ フィレンツェ広場には馬車が何台か止まっており、御者が馬に藁を食べさせていました。中には白馬もいて、優雅な雰囲気を醸し出していました。また、なぜかメリーゴーラウンドも動いていて、ファンタジックでした。
 18:30  夕食
  ・ニョッキ(トマトとモッツァレラ)
 20:00  スーパー

中庭の様子

3月23日(水)

  7:30  朝食
  9:30  サン・マルコ美術館
 ※ この美術館は元修道院と言うだけあって、静かで落ち着いた空間でした。ドゥオモが「荘厳」だとしたらサン・マルコ美術館は「静粛」だと思います。描かれている絵も静かに訴えるような雰囲気の絵が多く、絵にもこんな時代があったのだな、と感じました。

ユーロスター

 12:30  昼食
  ・パニーニ
 15:00 フィレンツェ駅でユーロスターを待つ
 17:35  乗車
 19:30  テルミニ駅到着

3月24日(木)

  7:30  朝食
 10:00  コロッセオ,凱旋門

コロッセオの中の様子

 ※ コロッセオは行く前から何回も写真で見ていたが、本物はより「石」の雰囲気 が出ていて、どっしりとしていた。日本のドームなんて本当にちっぽけで、これを見てしまったら日本のドームを「アリーナ」と呼ぶのが憚られるほどでした。紀元前にもうこのような建物を造れる技術があったことに驚きと尊敬の念を抱いてしまいました。
 12:50  昼食
  ・ペンネ
  ・じゃがいもとチキンの煮物
  ・ティラミス
 14:00  バチカン市国
  ・バチカン美術館
  ・システィーナ礼拝堂
  ・サンピエトロ大聖堂
 ※ 先ほどウフィツィ美術館の感想で「天井画が細かかった」と書きましたが、バチカン美術館の天井画はそれ以上に細かく、たくさんの技術が使われていて圧巻でした。まるで彫刻のように描かれた絵は、最初本当に天井に直接彫ってあるかと思っていたぐらいです。ここには古代ローマ時代に作られた『ラオコーン』やミケランジェロの『ピエタ』など誰もが知っているような作品をたくさん所蔵していますが、私の一番の目的であったラファエロの『アテナイの学堂』を見たときの感動はひとしおでした。教科書の挿絵や、インターネットの写真とは全く違いました。ラファエロの筆遣いが感じられ、いくらでも見ていられる、と思ったほどでした。

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 17:50  夕食
 19:30  オペラ鑑賞
 ※ オペラを鑑賞するのはこれが初めてだったのですが、圧巻の一言でした。思っていたよりもおしゃれな席で、わくわくしていましたが、上演が始まると役者さんの歌声にひきこまれました。文字通り響き渡る声はマイクなしで歌っているとは思えないほど透き通っていました。

3月25日(金)

  7:00 朝食
  9:00  フォロ・ロマーノ

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 ※ フォロ・ロマーノは1900年前の建物ということでしたが、全くそのような遺跡に見えないほど真のローマにも溶け込んでいました。今までのどの遺跡よりも緑が多くきれいで、青い空によく映えていたのが印象深かったです。古代ローマ時代にもこんな風景が広がっていたのかと思うととても感慨深いです。日本には1900年前の巨大な遺跡は現存しないのでとても良い経験になりました。

 11:00  真実の口  
 ※ 真実の口の横には礼拝堂がありました。小ぢんまりとしていましたが、その柱は使われなくなった教会からもらってきたものだそうで、こんなところにもこの建物の歴史がある!と思うと少し嬉しくなりました。どんな建物もその秘密を知ると親近感がわきます。
 12;00  昼食
  ・サラダ
  ・ピザ
  ・デザート
 ※ フィレンツェでもピザは食べましたが、ミラノのピザとフィレンツェのピザは全く違います。フィレンツェのピザは厚みがある一方そこまで大きくはありません。ミラノのピザは厚みが無い一方、直径はフィレンツェのピザと比べ物にならないほど大きく、迫力満点でした。とても同じピザだとは思えませんでした…。
 14:00  スペイン階段
 14:30  トレビの泉
 15:00  パンテオン
 18:00  スーパー
 19:30  夕食
  ・カルボナーラ
  ・ビーフステーキ
  ・ジェラート
 ※ このカルボナーラの味が忘れられなくて、日本に帰ってからまだ一度もカルボナーラを食べていません。美味しいという言葉で表せられないほどおいしいカルボナーラでした。

3月26日(土)

  6:15  朝食
  9:45  ローマ発
 11:45  フランクフルト着
 13:45  フランクフルト発

3月27日(日)

 (日本時間)
  9:10  中部国際空港着・解散

《まとめ》

 この研修を振り返ってみて、まず感じたことは「作品に力がある」ということです。絵画に関して言えば、その迫力です。私がその作品の前で感じた感動は、きっとたくさんの人々が感じてきたことだと思うのですが、何百年たってもなおそれを見た人を感動させられるほどの絵を描いた画家たちはやはりそれ相応の力を込めたのだろうなと感じました。画家たちが込めたその力や思いや努力を直に感じ取ることができ、とても圧倒されました。
 また、彫刻に関して言うと、その想像力です。彫刻には未完成のものが少なくありません。3日目にアカデミア美術館で見た彫刻のほとんどが未完成でした。しかし、その欠けた部分には、多くの人が自らの想像力で完成したら見られたであろうその姿を補ってきたと思います。それは、完成されたものを見ることとはまた違った芸術の楽しさがあるなと感じました。今まで未完成のものを見ると少し物足りなさを感じていましたが、この研修で感じ方や考え方が変わったように思います。
 今回、イタリアに行くにあたって、文化や言語の違いなどを考えてかなり覚悟して行ったのですが、意外とそんな違いを感じることなく研修を終えました。それは、「みんな同じ人間なのだ」ということを示しているのではないでしょうか。気候や国民性や文化の違いはあるけれど、人間である、という根本は皆一緒なのだということです。事前研修とは関係ないことですが、私のイタリア研修の小さな成果だと思っています。
 1週間のためにたくさんの準備をしてきた中で、大変なこともありましたが、その大変さもすべて楽しさに変わりました。この経験はどのような形であれ、これからに活かしていきたいと思います。
 最後になりましたが、この研修を援助してくださった熊沢さんや、企画してくださった学校の先生、一緒に行ったみんな、先生、添乗員の牧瀬さん、両親、色々な人に感謝したいです。本当に密度の濃い、素敵な7日間になりました。ありがとうございました。