ITF2014速報_2

一周年記念海外学習の速報(まとめ)

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第2日目はローマ市内の見学です。

肉食系の朝食

朝6時半に食堂(Pizzelia)で朝食です。さすがイタリア、生ハムやチーズがとても美味しく、生徒たちの若い食欲には驚かされます。しかしバイキング形式のメニューは豊富ですが、日本で食べ慣れた野菜というかサラダはなく、トマトやキュウリはあっても丸ごと置かれており、取るのに勇気がいります。無論、ドレッシングなるものは存在せず、丸かじりorオリーブオイルに塩、酢(穀物酢とは違う風味のもの)で味わうことになります。

 

有馬さんと本日のドライバーさん、ガイドさん
ローマの道路事情の一コマ

8時少し前にガイドさんと共にホテルを出て、バチカン市国に向かいます。幸いなことに本日のガイドさんは日本人の方です。ガイドの資格取得は難しく、日本語を話せない方の場合は、さらに日本語を話せるアシスタントさん(多くは日本人)がついて説明することになります。日本のように添乗員さんによる案内は文字通り御法度なのです。
ドライバーさんは昨日と別の方ですが、運転テクニックは同じかそれ以上です。バカンスシーズンに入って交通量は少ないとのことですが、交差点でのギリギリのせめぎ合いは変わりません。微妙な駆け引きがあり、思わず「やるなぁ~」です。ただし、頃合いの分からない観光客が飛び出してくると急ブレーキが掛かりますので油断はできません。

ローマ市内は至る所で新旧の遺跡が混在
カエサルの暗殺された所とか

左の写真中程に見える壁は、ローマで最も古いものとのことです。上方の樹木はイタリアカサマツ(笠松or唐傘松)で、古代ローマの街道沿いにも植えられています。実際、独特の樹形が強い日差しを遮って心地よい日陰を作ってくれます。二抱えは楽にある立派な木が並木を作っています。日本の街道沿いに植えられてきたクロマツは寿命400年程度で、松食い虫(マツノザイセンチュウ)にやられ古木はほとんど見かけなくなりましたが、イタリアでは巨木が至る所にあります。
右側の写真は古代ローマの神殿遺跡のあるトッレ・アルジェンティーナ広場です。この遺跡はユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)が暗殺された場所とされるポンペイウス劇場の一部で、舞台後方の列柱廊が発掘されています(分かりにくいですが中央の茶色の柱)。また、野良猫保護センターで有名とのことでした。白い車はタクシーです。ガソリン価格がリッター1.5ユーロ(約200円)超と高価格で、ディーゼル車が圧倒的です。トヨタ・プリウスやプリウスαも結構使われていました。

バチカンの壁とバス停
この先には長い入場待ちの列

本日最初の見学地はバチカン美術館です。目玉は「システィーナ礼拝堂」です。もちろんサン・ピエトロ大聖堂の見学も含まれています。バス降車場は写真のような国境線をなす巨大な壁の横にありました。入国口(美術館入口)に向かって歩いて行きますと、予約のない人達の長い、とても長い行列が見えてきます。その横を通って行くわけですが、途中には様々なもの売りや胡散臭い人達がいっぱいいます。特に、スリ専門のジプシーのとすれ違う場面では、携帯用音声ガイドシステムを通してガイドさんからの警戒連絡が常にあり、とても安心できました。彼女たちは目つきが鋭く、異様なオーラを発している点を除けば、普通の女の子そのものです。

バチカン美術館の旧入り口
使用の義務づけられた専用ガイド

音声ガイドは日本から持参したものを使用していましたが、バチカンでは専用のものをレンタルするよう義務化されたとのことですが、イヤホン利用が便利なので差し替えて使用します。予約入場券にはプレミアの上乗せ(3割強)、団体行動にはガイドの雇用(20人に一人)、バスを使えば入域許可証(関所の通行料そのものです)と、徹底して団体さんには負担を求められます。個人や少人数旅行より便宜(よく分かりませんが)を図る、もしくは迷惑なのでお金を出しなさいといった所でしょう。商売としてはとても効率の良い、確実な商いですね。

チケット売り場付近
チケットの裏面
チケットの表面

入館(入国)に際しては手荷物のX線検査と金属探知ゲートでの検査があります。当然その様子の写真は撮れません。今回訪問したいずれの美術館や博物館でも同様な検査が行われています。サン・ピエトロ大聖堂にあるミケランジェロ作のピエタ像の損壊などが実際に生じており、貴重な文化財を守るための努力である以上、やむを得ない処置です。
検査を通過したところが美術館のチケット売り場です。入館チケットは予約券を元にガイドさんが受け取り、皆に配られました。改札機にチケットの裏面のコードをかざすと、ピッという音ともにゲートが開きます。
チケットのコードはQRコードとは異なるものが広く使われており、改札機のないところでは係員がハンドスキャナーで読み取りでした。

見学前の事前レクチャー

本日の目玉であるシスティーナ礼拝堂内ではガイドによる説明が禁止されていますので、事前に天井画について鑑賞の要点を持って臨めるような工夫がされています。聖書の逸話について十分な知識があれば、特に説明がなくても天井絵の意味するところを理解できますが、制作に関わる様々な逸話がプラスされて初めて絵の価値や見所を把握できたことになります。ガイドさんのお奨めの逸話は、ノアの箱舟に関わる白い鳩の絵(どうがんばっても白い点)でした。

ガイドさんによる説明
美術館中庭の現代オブジェ

観光客の殺到するバカンスシーズンに集中工事とは理解しがたいところですが、各地で遺跡の修復工事が行われており、バチカンもその例外ではありませんでした。
今回の大失敗、その1。システィーナ礼拝堂の予約に気を取られ、バチカン美術館の”ラファエロの間”を始めとする世界史学習のポイントのいくつかを計画から漏らしてしまったことです。大燭台のギャラリーにある展示物の多くは、教会コレクションの成り立ちを理解する上では大切かも知れませんが、”ラファエロの間”を飛ばした対価としては疑問が残りました。短時間でも見ておいた方が良いものは見ておくべきでした。

松ぼっくり前での記念写真

 

続きは、  システィーナ礼拝堂までのページ  をご覧ください。