一般財団法人 瑞陵高校助成基金は、瑞陵生の学びを深めるための支援を行っています。

EU2014報告集

第2回海外学習助成事業の報告集 1年 U.T さんのレポート

 参加者から提出された報告レポートです。個人名や写真の表現・配置等にオリジナルとは異なる点はご容赦ください。皆さんのレポートは下の略名をクリックして頂くとご覧いただけます。
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素晴らしき世界

 私がこの旅に申し込んだ理由は、本物の外国の街を見てみたい、本物の絵画を見てみたい、本物の料理を食べてみたいという、「本物」に体験したいと思ったからです。そして、その期待は裏切られませんでした。
 まず、本当にたくさんの美術館へ行き、絵を見てきました。その中でも、私は特に宗教画が好きなことに気が付きました。キリスト教について詳しくは知らないのですが、絵の前に立つだけで、心が洗われたようでした。青色が貴重と聞いてからは、マリア様に青が使われているのを見ると、どれだけ神聖な絵なのかを改めて実感しました。ルーブル美術館やオルセー美術、ナショナルミュージアムには宗教画がたくさんあり、自由時間になるとそこの部屋でずっと絵にひたっていました。

「岩窟の聖母」

 その宗教画の中でも気に入ったのが、「岩窟の聖母」です。これは行く前から、私が行く美術館にはどんな絵があるかと調べていた時に見つけた絵で、恥ずかしながら私は調べるまで、この絵を知りませんでした。しかし見た瞬間、この絵の魅力に引き込まれました。親は、「この絵は色調が暗いから好きじゃない」と言っていましたが、私はこの、暗い中でマリア様とキリストと天使が薄く神々しく光り輝いているのを見ると、やはり自分達とは違う存在なのだなと思い、尊敬の念に駆られました。そして美術館で見ると、パソコンでみたものよりもずっときれいで、しかも近くで見たので細々としたところまで見ることが出来ました。団体で館内をまわった後、有馬さんの勧めもあって、もう一度見に行きました。落ち着いてみるとやはり美しくて、15分はその場にいたと思います。まるでその絵の中にいるような気持ちになれました。
お土産のガブリエルの描かれたペンダント
 また、ガブリエルの表情がとても好きです。優しく微笑んでいるような気がして、思わずお土産コーナーで自分用にガブリエルの描かれたペンダントを買ってしまいました。
 1つ1つの建物の中にも、天井や壁にとても美しい壁画が描かれていました。やはりキリスト教や神々たちに関することが多かったです。これも、日本の建物では見ることが出来ませんでした。一面を覆い尽くすその壁画に圧倒されました。

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 次に街の風景では、もう日本の建物と全然違って驚きました。ある程度の知識はつけていったつもりなのですが、それでもまわり一帯が石造りの建物に囲まれると、自分はファンタジーの世界に入ったのではないかという気になりました。道も石だし、フランスでは建物も一つ一つの彫刻が細かく彫られていて、見ているだけで楽しくなりました。美術館や寺院など大きな建物は入り口から素晴らしく、たくさんの神から見下ろされている気分になりました。窓一つとってもそこだけで一つの芸術品でした。そこで、フランスとイギリスの町並みを比較してみて、思ったことがあります。

     ゴテゴテ      シンプル

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 これはあくまで私個人が勝手に思ったことですが、フランスではスリや物乞いが表立って多く、綺麗ではあるけれど危険な街、というイメージが新たにつきました。世間や、見た目の美しさを重視して観光客を楽しませる、あるいは昔の時代だったら権力を存分に見せつけるような感じでした。その一方で、あまり目立たないところや少し表通りに外れたところではポイ捨てやスリが多発していたことから、見た目は美しく、でも中身的な面は放置という印象を受けました。イギリスでは、その点シンプルで古めかしい建物が多いけれど、古いからと言ってボロボロではなく古きを重んじる感じがありました。線と曲線美の世界で、彫像とは違う美しさがありました。
 料理面において、私は本当にこの旅行に来てよかったと思いました。もちろん食物科だからというのもありますが、私個人としてとても気になっていたのです。そして行ってみて、カルチャーショックをたくさん受けました。

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 初めて食べたエスカルゴは、カタツムリだからという理由で食べるのに勇気がいりました。しかし、「これは貝だ。貝なんだ」と思って食べたら、思ったよりもかなり美味しく、もう元は虫だったというのも忘れて夢中で食べてしまいました。味付けもガーリックとバジルとオリーブで上品な味付けでした。見た目に引いてしまう人もいるかもしれませんが、それでは絶対にもったいない!!!ここに来なければ食べることなど無かったであろう食べ物でした。

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 フィッシュ&チップスは日本のレストランで食べたことがありました。が、味もボリュームも全然違いました。お客さんが各自で味付けをするらしく、魚やポテトには味が一切ありませんでした。また大きさも魚は皿からはみ出すほどにあり、魚だけでお腹いっぱいになりました。そして大量のグリンピースには驚きました。前何かの番組で見たのですが、外国では小さいときからグリンピースを日本の野菜の感覚で習慣的に食べるらしく、苦手意識を持っている子どもも少ないそうです。この皿に乗った大量のグリンピースを見て、それは本当だったとこの目で見ることが出来ました。私たちの胃袋ではお腹いっぱいで少し残してしまうくらいだったのに、イギリスの人たちはこれを食べきることが出来るなんてすごいと思いました。

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 夜に食べた、これも伝統的なイギリスの食事であるキドニーパイは、とても独特で特徴のある味がしました。日本でいう納豆みたいなものでしょうか…。やはりここでも文化の違いを感じ、味覚の違いを感じました。
 フランスのご飯はどこで食べても美味しく、特にパンは最高でした。イギリスでの「ご飯が不味い」イメージは、あまり払拭できた気はしませんでした。しかし、「ご飯が不味い」というよりは「口に合わない」という感じで、やはり住んできた気候や歴史の違いだなと感じました。

注文を失敗してしまった結果……1つの皿に3種類の食材を頼みたかったのに何故かこんもりと同じ食材が……。

 この旅行で、私はほとんどの外国の方と話が出来ませんでした。一緒に行った同級生の子は積極的に外国から来た外国人観光客に話しかけていて、交流ができて本当に羨ましかったです。話しかけられなかった理由の中に、英語が満足に話せないということもあると思います。実際、フリータイムの時に行った昼食では、思うように注文できなくて、定員さんに舌打ちされた挙句、思っていたのと違う料理が出てきてしまいました。もっと英語を理解して、聞く力があればこんなことにはならなかったと思います。そして、英語力が身につけばもっと旅行を楽しめると思いました。

 ミュージカルでも、ジェスチャーのところは笑えたのですが、会話中に観客が笑っているのは理解できなくて、これも聞く力だと思いました。また、地図が全く読めないのもこれから困ったことになると気づきました。

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 私は将来外国で食関係の仕事に就きたいと思っています。それは飲食店か貿易会社か日本食を広めにいくのか、まだ決まっていません。ですがそういった仕事に就きたいという思いも、参加した理由の一つでした。しかし、今回行って、新たに憧れとなった職業があります。それは、添乗員という仕事です。今回ついて来てくださった有馬さんは、この旅行中でとても頼りになった方でした。パリやロンドンの地理を把握していたり、困ったときには助けてくださったり、ホテルのチェックインなども全て英語で、とてもかっこよかったです。あんな風に仕事をしてみたい、心から思いました。お話を伺うと、国際科というところに行かれて、そこで英語を習ったそうです。また、身近に英語圏の方がいて、その人と生活するうちに英語が上達したともおっしゃっていました。私はまだそのどちらも経験したことはありませんが、将来に向けて添乗員の仕事を調べてみたいと思いました。これも、旅行をしなかったら分からなかったことです。

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 パソコンやテレビでも良くヨーロッパの風景を見ていました。しかし、いざ実際に行ってみると、もちろん建物の大きさも違うわけですから、その迫力に驚かされました。ビッグベンでは、遠くから見ただけなのに、その細かな装飾が見られるくらい大きく、イギリスの象徴であるという存在感がありました。他にも、パリならではのまっすぐな道を歩いたり、屋台を間近で見たりなど、テレビで見ただけでは分からないことがたくさんありました。料理も、「これは美味しい」「これは不味い」と、噂に聞いていただけでは分かりません。実際自分で口に運ぶまで、それがどんな味かは想像もつかないのです。今回のエスカルゴのように、見た目で判断して自分では食べようとも思わなかった食材を食べるチャンスを頂き、そのカルチャーショックを乗り越えたことも大きな進歩です。これは行ってみないと体験できません。そしてそれを体験したからこそ、日本との比較や日本文化の良さについても改めて認識することが出来ます。だからぜひ、もっと多くの人に「本物」に触れてもらいたいです。
 今回の旅行の多額なる費用を出していただいた、一般財団法人瑞陵高校助成基金の池田理事長さんと理事の皆さん、海外のことなど何も分からない私たちに教えるため、お忙しい中来校くださった近畿日本ツーリストの加藤さん、右も左も分からないような状況の私たちを楽しく面白く導いてくださった有馬さん、私たちの出発の背中を押してくださった教頭先生と職員の先生方、ミュージカルについて話を分かりやすく教えてくださった高見先生、中村先生、昼放課という合間をぬって仏語講座を開いてくださった梶野先生、あの膨大な英仏の歴史をたった1時間にまとめ、資料まで作り世界史講座を開いてくださった森先生、そして、事前学習会を毎回開き、常に私たちのことを考え、安全を第一に優先して守ってくださった三輪先生、本当にありがとうございました。高校1年生というこんな若いうちに海外に行けるということは、とてもいい経験になりました。行った時の興奮は、未だ冷めていません。
 
○今回落選してしまった方、次応募しようと思っている方へ
 今回は、10倍というとてつもなく高い倍率の中で運よく行けた私ですが、落選してしまった方に、ここで諦めて欲しくはありません。7日間家に帰れなくてホームシックに陥ったり、1日平均10000歩を超える移動に耐えられなくなった日もありましたが、それでもこの旅行に行けたことは、私にとってとても素晴らしい体験になったと思います。パソコンやテレビでみるのとは全然違い、やはり自分の目で見るというのは大切なことです。次は、夏休み期間中のイタリア・フランス12日間の旅です。また冬にはアメリカ研修もあります。このチャンスを逃してほしくはありません。諦めず、応募してもらいたいです。また落選してしまっても、旅行に行く友を優しく送ってあげてください。私は今回、その友の応援に救われました。
 
 ぜひ次の旅も良い旅になることを願っています!